実家に戻ってから1年が経った。
俺は結局仕事を辞めて実家の家業を手伝うことにしたんだ。

一年も経つと俺の中で晴美は薄れていった。
そんな頃俺は友達に一本のビデオを進められた。タイトルは書いてないが、友人曰く、[殺人ビデオ](スナッフビデオ)らしい。
スナッフビデオってのは人を殺害するところをハンドカメラ等で撮影したもので、世の中の異常者に需要があるらしい。


俺は気味悪いので断ったが、半ば強制的に見せられた。






ビデオには檻に入れられ、手足を拘束された、裸で丸坊主の女が映っていた。女は歯をガチガチさせ震えて、小さい声で勇治…勇治と呟いている。




女の顔は晴美だった……
勇治とは俺の名前だ。
間違いない。この女は晴美だ。


額から汗を垂れ流し、心臓がすごい速さで脈打っている。
馬鹿な、なんで晴美スナッフビデオに…




映像は進んでいく
晴美が閉じ込められている檻にこの世のモノとは想えない巨大な蛇が入れられた。体長は晴美の7、8倍はあるだろか。


ゆっくり化け物が晴美に近づいていく…そして晴美を頭から呑みはじめた。
バキバキ。ボキ。グチャ。と不快音をあげながら晴美の身体は徐々に化け物の口へ運ばれていく。



俺は発狂しそうになりビデオ止め、友人にどこでコレを手に入れたか問い詰めた。


友人「お…お、ちつけよ!〇〇区の個人営業のレンタルビデオ店だよ。大体もうこの女…死んでるって。」



俺は友人に怒りを覚えたが、晴美が殺されたのは俺があの時助けなかったからだ。 俺は罪悪感に苛まれた。







ビデオを見てから俺はいつも同じ夢を見るようになった。
下半身が蛇になった晴美が俺にゆっくり近づいてくるんだ。俺は指一本動かせない。

日に日に晴美は俺に近づいて来た。昨日で晴美と俺の距離はすでに1メートル弱しか無かった。

次同じ夢を見たら俺は殺される。だけど覚悟はできている。[晴美。俺を殺してくれ。お前になら本望だ。]
心の中でそう言い俺は眠った。











…またあの夢だ。
動けない。晴美はもう目の前にいる。
晴美が尻尾を俺の身体に巻き付けた。

俺は自分の命を諦めた



しかし晴美はそれ以上なにもしてこなかった。


晴美「私ね、勇治の子供欲しかったな。」
晴美はそう言うとスッと消えた。






翌朝俺の枕は涙でビチャビチャだった。
それ以来夢はみていない。


俺は同棲している彼女がいる。名前は晴美。晴美は行きつけのキャバクラのスタッフでね、まぁいろいろあって付き合うことになった。


晴美は美人で料理も上手だった。だけどなぁ、一つ欠点があったんだ。晴美は無類のギャンブル好きだった。
しかも実力は皆無!だから勝つことなんてまず無かったな。
最初の二、三年は晴美のギャンブル好きなところなんて気にしないくらい俺は晴美を愛していたんだ。


だけど晴美のギャンブルは許容できないレベルまでエスカレートした。
俺の金は盗むわ、家の物は勝手に売るわでね。
さらに俺の貯金まで使い果たした。

それでも晴美はギャンブルをやめなかった。ついにはいわゆるヤミ金融から借りるようになったんだ。
だけど先に言ったように晴美にはギャンブルの才能がないから、もちろん金なんて返せないわけよ。

とうとうヤクザが乗り込んできた。ヤーさんは「お前がこの女の借金を払え!払わないなら晴美は連れていく。」ってさ。
俺はもう晴美になんの感情も無かったから、こう言った。



「俺の借金じゃない。払わないですよ。どこにでも連れていけよ」





晴美は抵抗して泣き叫び俺の名前を連呼した。俺は見向きもしなかったけどな。ヤーさんは晴美を二人がかりで引っ張り出して消えた。





こうして五年にも及ぶ俺達の関係は終了した。




俺は晴美を早く忘れたかった。だからすぐにアパートを引き渡すため荷物を整理した。

晴美の荷物を処分していると、小さな未開封の小包があった。中には安物の指輪とメモ用紙があった



メモには
「ごめんね…お金は必ず私返すから。もうギャンブルはしないから見捨てないで欲しい」


と書いてあった。

読み終えると俺は泣いていた。



「あぁ俺まだ晴美の事好きだったんだ…」




パート2へ続く
ある日2ちゃんねる掲示板にて


1「すみません。皆さんに相談したいことがあります。私は今〇〇線に乗っているはずなんですが、一向に目的の駅に着きません。というより一度も駅に停車しないのです。ちなみに私以外にも乗客はいますが、皆生気がないというか…話かけても反応しません」




1「あっ!今駅に停車しました。駅名は…きさらぎ駅です。とりあえずこのまま乗っているのは怖いので降ります。皆さんできればきさらぎ駅を調べていただきたいです。」


掲示板の住人はきさらぎ駅を調べたが、そのような駅は存在しなかった。そのため1に、線路をつたって今まで来た道を戻るように指示



1「皆さんおっしゃる通りに今戻っているんですが、さっきから太鼓の音がドンドンドンドンドンドンと…走っても走っても音が近づいてくるんです」




1「やっぱりここ変です…太鼓の音は止みましたけどさっき線路に片足と片腕がない婆さんが…くそ…なんでコイツ着いてくるんだよ!」



1「友人に電話したんですが目印がなくて場所を伝えられません。怖いですがなんとか自力で戻ります。もう電池の残量も…







1「さっき親切なおじさんがいて車で送ってくれるそうです!なんとか帰れそうです。皆さんいろいろありがとうこざいました。怪我はしてますが大したことないです。心配かけました。









1「皆さんの指摘の通りなんかこの人おかしいです…さっきまで普通に会話していたのに急に独り言をブツブツいい始めました。もう電池が切れます…とにかくここから逃げます。必ず。皆さんには最後まで心配かけてすいません。家に戻ったら絶対無事を報告します。」

三分後








1「 あ゛ 」







以降1のカキコミは途絶えた。鬼には「きさらぎ」という読みがある。これがなにを表しているのかは解らないが。