裁判所から夫に宛てて離婚調停申立の通知が届いていた頃、私はいつまでも娘の家にいるわけにもいかず、住まいを探す毎日になっていた。
まだ夫婦としての籍はあるのに一人住まい、仕事もしていない、オマケに高齢。
こういう人間の住む家探しは、何かと壁にぶつかることになった。
保証人だけは、今はお金さえ払えば保証会社で肩代わりをしてくれるが、上記のような悪条件が揃うと、それすら難しい。
嫁に出した娘と、ちょっと遠くで所帯を持っている息子、この二人が頼みの綱。
それに加えて同じくらい大きな味方となってくれるのは不動産屋。なんと言ってもここでの信用が無いとにっちもさっちもいかない。
地元の古くからある不動産屋の女性社長に事情を話し、幸いにも気持ちを汲んでもらえて、渋るオーナーさんとの繋ぎ役を果たしてもらえた。本当にありがたかった。
子供たちのフォローも大きな助けになった。
ついこの間まで、「親でございます」って顔をしてたのが嘘のよう。
いつの間にか世代は替わっていたんだなぁ、とつくづく感じた。
ようやく住まいも決まって鍵を受け取る。
さぁこれからが本当の闘いなんだ…
自宅に残した私物を取りに行くことも、「都合が合わない」と夫に拒否されていたので、一組の布団と、本当に身の回りの物だけがあるガランとした部屋。
ここから私の闘いに向けての第一歩が始まった。