誰でも弱みはあるよ。
言って欲しくない言葉。
触れて欲しくない部分。
それを守っただけなんだ。
でもそれを見ていてくれた人がいた。
それだけで子どもは救われるんだ。
・・・そうオレが小学校の頃。
とにかくわんぱくで男の友だちと数人でツルンでは自転車を
乗り回し、公園だの学校の校庭だのに遊び回っていた頃があった。
けっこうワルガキで、お山の大将みたいにいばっていた。
道行く人にも「ヒャッほー!!」と突然声をかけて驚かせてしまうような。
いたずらワルガキだったんだ。
だが、ある日いつものように自転車でつるんで走っていたら
前方に足が悪くておぼつかない初老の女性が道をよろよろと歩いていたんだ。
オレは弱い者をいじめる勇気は持ってなかった。
だがつるんでいたガキどもはいつものように「ホイホイ!どけどけ!危ないぞ!」と
はやし立てたんだ。
オレはためらいながらも、その足が悪い女性が転ばないか見届けて
振り返りながらあとにしたんだ。
何もなくその日は終わったんだ。
だが、その光景を見ていた人がいたんだ。
保育園時代に同級生だったツレの母親が近所に住んでいたらしく、
たまたまドアを開けようとした所にその光景が目に入ったんだと。
そしてオレに気づき、皆と一緒になって女性をはやし立てたら叱ろうと
してくれていたらしい。
が、おれは一切言わなかった事を見届け、これを授業参観の時に
おふくろにわざわざ伝えに来てくれたんだ。
こんな大人もいるんだと、おれは嬉しかった。
おふくろやおやじ以外からでもこんなふうに褒めてもらえることが
うれしかった。
人生ステたもんじゃないぜ!
