ごきげんよう。
私の名前はHg80。「エイチジーハチジュウ」と読む。おそらくこの意味が分かる方は、私の予想では5%ほどではないだろうか。特に根拠のある割合ではない。キーボード上で一番入力しやすいのがこの数字だったというだけのことだ。なぜか?それはまた次の機会にお教えしよう。
さて、本題であるが、Hgとは水銀の原子記号である。そしてその原子番号が80というわけ。私がこよなく愛する元素、水銀からいただいた名前なのだ。水銀のかっこよさに関しては論をまたない、おそらく多くの方にとっては共通の認識であると確信しているが、あえて説明させていただく。ごく一部、水銀を嫌悪しておられる方もおられるだろうから。まず第一に、水銀は常温にて唯一液体の姿で存在している元素である。この特異性に魅せられる。補足しておくと水は分子なので、元素ではない。水を構成している水素、酸素はいずれも常温下で気体である。次に、銀の元素記号Agと、水素の原子記号Hを組み合わせたと思われる元素記号Hg.。まさしく「水銀」。その姿をみごとに言い表している。そしてその美しい光沢とは裏腹に、実は強力な毒性を有している、薔薇の棘じみた二面性。水銀を嫌悪しておられる方がいると前述したのは、この毒性に被害を受けた方もおられようということを配慮してのことだ。たとえば古代中国、水銀の化合物である美しい鉱物、辰砂を薬用として摂取し、早逝した皇帝の面々がそうだ。ぼんやりとした光をたたえ、怪しげな魅力で私たちを誘惑しながら、近づくものには時として牙をむく。まさしく魔性にして傾国の美女。この捉えがたささが、彼女を流体として存在させているのかもしれない。
水銀の魅力をわかっていただけただろうか。もし共通認識を得られたのなら、あなたとは今後ともぜひ、言葉を通じて理解を深めていきたいものである。もし理解できない、キモイと思われる方がいたなら、問題はない。これから先延々と水銀についてサイエンス記事がごとく紹介していくつもりは、毛頭ない。今回の目的は私の手記第一号として、名前の由来を披露させていただくことに過ぎない。私を知ってもらうために、私のために書いたから、おそらく私がつづる手記の中では、もっとも身勝手で、独りよがりな文章となるだろう。あえてこれに取り組んだのは、最も重要なことだからだ。
ひとつ、質問をする。あなたがこよなく敬愛するブロガー、あるいは芸能人、いわゆるYoutuberなどの著名人、もしくは、あなたが所属するチーム、組織、、つまり何らかの団体。いくつか思い浮かべたとき、その芸名や団体名の由来を、あなたは知っているだろうか…?もし知らなかったら、それは大問題だ。あなたに問題があるというのではない。あなたの思い浮かべたイメージが、きちんと自分の名前の由来をアピール出来ていないことが、非常にマズイ。わたしは、名は体を表す以上に、存在そのものの核となる、命であると考える。名前は自分にとって圧倒的に、最も頻繁に見て、書いて、読んで、書く言葉だから、人生で最も強く影響を受ける言葉なのだ。「命名」という言葉もある。名前は当人の性質を規定するし、他者の名前を知ればその人を一段階深く理解できるだろう。なれば、名前は丹精込めて自分が最もしっくりくるものにすべきだし、その名前を誇るべきだし、人前に出るならば、名前の由来はきちんと説明できなければいけないし、まずそれを知ってもらわないと、コミュニケーションは始まらない。よくあることだが、他者の名前を声に出して言うとき、そのイントネーションが分からない。読み方がわからない。どこで区切ればいいのかわからない。しかしそれを聞くのは無粋に感じられて抵抗があり、さりとて言い間違えることなどもっての他、という状況。このジレンマを生み出しているのはひとえに、名前の持ち主の説明不足である。聞かれてはじめて答えるというのも傲慢だ。コミュニケーションの第一声として、名前の由来を説明することは、最大にして最良の自己紹介であり、義務だ。あなたも、自己紹介では名前を言うとき、その由来を添える習慣をつけなさい。所属団体の名前の由来はきちんと憶えておきなさい。就職活動で企業に質問をする機会が与えられたら、まず企業名の由来を尋ねなさい。友人が飼っているペットの名前の由来は聞いておきなさい。あなたのスマホ、機種名の由来は?分からなければ調べなさい。声を大にしてこれらを提言させていただく。
こうした理由があって、今回第一の手記は、私、Hg80の名前の由来を説明させていただいた。先述の通り自分語りに終始した内容で、押しつけがましい感もあるが、どうかご容赦願いたい。レイザーラモンHなにがしや、MONGOL8ナントカにあやかっているのか、などと誤解されでもしたらたまらないのだ。改めて申し上げるが、水銀元素にあやかっている。さて、自分のための手記は今回限りとし、次回からはライフハックをテーマとして、あなたのために、新たな知識をお伝えしていくつもりだ。この手記が初めての方、はじめまして。他の手記を見てここへたどりついた方、自己紹介が遅れて申し訳ない。いずれにせよ、読んでくれてありがとう。
不束者ですが、今後ともよろしくお願いいたします。