現地の上下水道整備計画には国際協力機構(JICA)が100億円規模の大型融資を計画している。今後は運営ノウハウを持つ日本の自治体の参画も検討する。丸紅は同国での事業運営ノウハウを武器に、周辺のアジア新興国の水事業を強化したい考え。
マイニラッドは、現地の建設大手DMCIが55%、残りをインフラ事業大手のメトロパシフィックが保有し、丸紅は今回、両社から合わせて20%分を取得する。今後は出資比率を引き上げる可能性もある。現地の水事業はフィリピン政府から受託し、水道水の製造から水道管網の維持・管理、検診や料金徴収までのサービスを手がける。
マニラ市は1997年に水道事業を東西に分けた上で民営化。東側は三菱商事が資本参画するマニラウォーターが約600万人に給水、西側は運営主体だった仏スエズグループが収益悪化によって撤退。その後、マイニラッドが参入し、現在は約850万人に給水している。
同市西部は人口増加が続いており、下水道の整備や、浄水場から送られた水が漏水や盗水で失われる「無収水率」が50%と高いのが課題。マイニラッドは同地区で下水道普及率を約10%から、2037年には100%とする目標を立てており、今回の丸紅の資本参加やJICAからの融資を受けることで、効率運営やマニラ湾の水質浄化など環境改善効果にも期待している。
丸紅は、産業革新機構などと共同で、南米チリで第3位の水事業会社を買収して運営事業を手がけるほか、中国の下水道事業の安徽国禎環保節能科技などにも資本参加し、総給水人口は約500万人に達する。これを新興国開拓により早期に2倍の1000万人に引き上げる計画だ。
新興国の経済成長を背景に、世界の水事業の市場は25年には07年の2.4倍の約87兆円に倍増し、なかでもアジアは年率10%で成長すると予想されている。
日本は濾過(ろか)膜などの技術力を誇るが、地方自治体が水道事業を担うため事業全体を請け負う水道事業の入札では仏ヴェオリア・ウォーターなど水メジャーに比べ存在感が低かった。
ただ、最近では大手商社の成果も出始めている。三菱商事と日揮は産業革新機構の出資を受けて豪州の大手水道会社を買収。伊藤忠商事も5月に英ブリストルウォーターに参画。住友商事も東京都などとマレーシアでの水事業への参画を目指す。
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