あれは昭和40年代半ば俺は小学校4年位の記憶だった。そういつも市場にお使いを忙しい母親に頼まれて出掛ける事が日課になっていた。その日もやはり太平市場にいって頼まれた晩飯のおかずを買いに行ったあと俺はすぐには帰らずある場所にいつも寄り道をする。今はもう消えた南海電車の駅前にあったあの店にタカラブネという洋菓子店である当時甘いお菓子の匂いがする洒落た店など俺には縁遠いもので俺はいつもその店先にじっとたたずんで時間が過ぎるのを忘れて買えるわけもなく甘い匂いに狂っていた。その中にパルナスのケーキがあり空想の中で俺は食べたけど味はわからない。パルナスはロシアのお菓子で当時ロシアは日本人にとっては遠い御伽の国だから味はわからない。あの時代の太平市場も南海電車もあの店も今は無い俺も齢65になった。昨日年金を国から貰った。いつまで歩み続けるんだろう。夢の途中だな、おさびし山の詩が頭の中で流れている