《指令No.25 夜明け》
009ノ1は、記者として月に現れた。
月の上で事故に遭って死んだ記者について、調べるためという名目でだ。
だが、その男は実はスパイであり、変装の名人で他の人間と入れ替わっている可能性があったのだ。
月の市長に事件の詳細を聞いているうちに、その事故現場には、彼女が月の移動中に談笑していた博士が同行していたという。
彼女は、博士が自分に興味を示していたのを利用し、ベッドの上で変装だという確証を得るのだった。
その上で、事故現場を見たいと願い出て、その上で本当の目的を告げるのだ。
組織の命令のため、敵のスパイである実の弟を殺さなければならないのだと。
すると、変装した男は、持っていた銃で命を絶ってしまう。
009ノ1は、涙ぐむしか出来なかった。
(石ノ森章太郎原作の現在放映中の仮面ライダーギーツでも姉と弟は、過酷な運命を背負ってますよね…)
双葉社「週刊漫画アクション」1969年7月10日号・初出。
(講談社「石ノ森章太郎デジタル大全」より「009ノ1(4)」から)