一人は鷹を飼い、もう一人は鯉を飼っていたそうな。
どちらが優れているか、比べようと鷹の殿様は鯉の殿様の元に連れていったそうな。
慣れない場所に鷹は興奮していたという。
鯉はとても大きく、狭い池を窮屈そうにしていたそうな。
もう少し、広い池を作ってあげればよいものを。
殿様はなかなか頑固だったそうな。
鷹は、脚に紐を結びつけていたが、興奮していたので思わず、鯉の池まで飛んでしまったそうな。
鋭い脚で捕まれた鯉はそれまでかと思ったという。
いつか、同じ条件で戦いましょうね。
そういうと鷹は、ご主人の腕に戻ったという。
殿様同士、条件の違う生き物を自慢しあうことは、しなかったという。
お互いにほめあっていたが、まさか動物同士で約束していたとは、思わなかったことだろう。(終わり)