(創作)旅するもの | ネムリ・モヤのブログ

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アートと旅と食を愛す孤高の仮面ライダー好き女

私の目に映るものは、本物なんだろうか?

疑っている限り、それを止めることは出来ない。

やはり、それは誰かが撮した風景なのか?

勇気があれば止めれるものでもない。

何とかしようと、手を伸ばすがそれは偽物の風景かもしれない。

例えば、目の前の座席に残る手帳は、ほんとに自分が行きたい方向に向かいたいのか?

持ち主の誰かが思い出して、引き返して来てもらいたいが。

現実とはうまくいかないものだ。

路面電車は、やがて進み始める。

しばらくして、誰かが手帳の旅を止めた。

拾い上げて、運転士に落とし物だと告げに行った。

私自身はもう少し、旅をさせてもいいと思っていた。

だが、それでは一つの席が埋まらない事になる。

手帳は、持ち主のもとに帰ることはできただろうか。

まだ、手帳の旅は続いているのかもしれないが。(終わり)