日本で衆院選の結果が明らかになり、次期政権の大枠が見えてきた18日、在上海日本国総領事の泉裕泰氏が中国紙「21世紀経済報道」の取材に応じ、中国と日本との今後の関係などについて語った。
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対中外交を担当して30年になる泉総領事は、「日本と中国の関係が思い通りにならないとは言え、民間のきずなを確信し、両国関係の早期修復を願っている」と話した。両国の間に横たわるのは領土問題だ。12月17日、中国外交部の定例記者会見で華春瑩副報道局長は、領土問題に対する安倍晋三氏の態度についての中国側の見解を問われ、「釣魚島と付属の島嶼は中国固有の領土だ。日本側が実際の行動で関連問題の解決や両国関係の改善に向け、しかるべき努力をするよう期待している」と答えた。
以下、「21世紀経済報道」と泉裕泰総領事とのインタビュー。
――日本の次期首相となる安倍晋三氏は中国への態度が強硬だ。安部氏にとどまらず、石原慎太郎氏も対中強硬を訴えている。衆院選の中で出てきた反中の声は、日本国民の態度の主流なのか。
泉:16日の衆院選で自民党が圧勝し、公明党と協力して衆議院で3分の2超の議席を獲得している。日本憲法では、例え参議院が重要な法案を否決したとしても、衆議院で3分の2以上の議席を持っていれば再表決を行うことができる。自民党は法案を成立させる上で安定多数を握った。私個人では、新政権は強い政権となるとみている。
ただ、中国に向けて強調したいのは、民主党政権でも自民党政権でも、わが国の対中政策は一貫して中国との関係を重視するものであることだ。日本も中国も国際化経済で密に依存し合っている。
2011年、日本企業による対中直接投資額は国・地域別で世界一だった。中国にある日系企業は2万2307社に上り、世界で最多。日系企業は中国に約1000万人超の雇用をもたらしており、いわゆる「お互いを包み込んでいる」関係だ。中国は日本の将来的な発展に欠かせない存在であるのと同様に、日本も中国の将来的な発展に欠かせない。
――対中強硬の「タカ派」が政権をとることについて、中国では両国関係を「政冷経熱」と形容している。安倍政権のもとでは「政冷経熱」と「政冷経冷」のどちらになると考えるか。
泉:11年以降、日中関係は領土問題をめぐって緊張している。日本政府は民間人から尖閣諸島を購入し、所有権譲渡を果たした。中国政府はこれに抗議している。その後、中国政府は尖閣諸島を自国領とする地図を描き、領海基線を画定し、また国連に関連資料を提出した。
日中両国の緊張が続けば、真の両国関係を構築することは困難だ。領土問題は短期間で収まるものではなく、中国もそう見ているだろう。日中両国は事態の深刻化を座視することなく、意思疎通を維持、強化し、その影響が日中関係に及ぶことを回避する必要がある。
――日本、中国、韓国は自由貿易協定(FTA)交渉を行っており、成功すれば東アジアにとって大きな役割を果たすこととなる。3カ国の国内総生産(GDP)は東アジアのGDPの90%を占める。ただ、韓国に比べて日本中国とのFTA協力の進展は遅い。こうした状況は改善するか。
泉:現在の世界情勢は非常に厳しく、日本と中国は経済振興に注力しなければならない。今後、日中韓3カ国のFTAや環太平洋連携協定(TPP)に日本の参画が必要だ。こうしたことから日中韓FTA交渉の開始は喜ぶべきものだ。
日本にとって、中国は最大の貿易相手国であり、韓国は第3位の貿易相手国だ。日中韓FTAは3カ国の貿易や投資を促進するほか、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現にも役立つ。日本は全面的でハイレベルなFTAの実現を目指している。そのため、新政権には中国と経済協力関係を確立し直し、それを積極的に強化していく理由があると考える。
――日中関係の今後にどのような期待を持つか。また個人としてはどのように努力するか。
泉:中国は今年、中国共産党第18回全国代表大会を開き、新指導部が発足した。日本でも新政権が誕生している。12年の日中国交正常化40周年イベントは十分に開催されていない。ただ、13年は「日中平和友好条約」締結35周年の年だ。日中の新政権が両国関係改善に注力し、12年に計画していたイベントを補い、来年の関係改善に向けて良好な局面を切り開いていくことが必要だ。
今月末、日本の新たな中国大使が着任し、中国の国家主席に信任状を手渡す儀式がある。個人的にはその際、中国の指導者が日中関係改善に向けてどのようなシグナルを発するかに注目している。
13年が日中関係の良好な年になるよう期待し、両国が民間レベルで、経済や文化、学術、観光、芸術などの交流を活発に行い、両国国民が豊かになっていくよう望んでいる。日本側はこうした意思と能力を持ち、準備を整えた。
(翻訳 李継東/編集翻訳 恩田有紀)
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