広告事業について・・・・
 公共施設へのネーミングライツ事業について。
 近年,自治体で所有する有形,無形のさまざまな資産を民間企業などに有効活用してもらい,新たな財源確保及び事業経費の削減を図る事業が盛んに行われています。施設に名前をつける権利は,英語でネーミングライツと呼ばれ,スポンサー企業の企業名や製品名などのブランド名をつけることができ,近隣自治体でも活発に取り組まれております。ネーミングライツの導入は,施設側にとっては長期的な安定収益が得られます。一方,スポンサー側にとっては施設来場者へのPR,さまざまなメディアへの露出,掲載等により企業名や製品名等の認知度向上,イメージチェンジ等の効果が得られます。また,それ以外にも施設の地域社会の活性化に貢献することにつながっていきます。
 ネーミングライツは,1970年代にアメリカで生まれ,国からの補助金が少なくなった公共施設が安定収益を求めてアメリカの4大プロスポーツ施設を中心に広がった経営手法で,ビジネスとしても20年以上前から定着しています。日本においては,2003年に味の素スタジアム,旧名称東京スタジアムが公共施設で初の事例として導入されてから,これまでに急速に広がりを見せています。
 近隣のネーミングライツの導入例と企業側のコメントを例に挙げます。名古屋市総合体育館は,日本ガイシスポーツプラザとなっており,日本ガイシ株式会社は2007年4月から期間5年間,本年で契約満了の年ですが,年額1億2,000万円の契約,日本ガイシの企業の目的としては,名古屋市の公共施設を経済的に支援することで地域社会に貢献するとともに,社名をつけた施設で行われた数多くのイベントやその告知を通じて,さらに多くの方々に当社への親しみを持っていただき,企業イメージの向上につながることを期待していますと発表しています。
 また,名古屋市民会館はパートナーに2件の応募がありましたが,日本特殊陶業市民会館に決定しております。契約金額は年5,000万円,2012年7月1日から18年3月31日までの契約です。日本特殊陶業株式会社の目的は,伝統と格式ある名古屋を代表する文化施設であり,文化交流の場として親しまれている名古屋市民会館のパートナー企業になることで,地域社会への一層の貢献を果たすとともに,地域の皆様,市民会館へ御来場なさる皆様へ広く当社に対してより親しみを持っていただきたいと考えておりますと発表しております。
 また,名古屋市の歩道橋238カ所をネーミングライツパートナーの募集をしており,金額は年間30万円から50万円,契約期間3年から10年契約で,現在36カ所が決定しております。場所によっては通行量も多く,費用対効果も高いものもあり,地元の企業を応援する要素もあります。名古屋市の平成23年度決算で見ると,ネーミングライツの総収入は2億2,000万円となり,毎年の安定収入となっております。その他,全国の導入例は年々ふえておりますが,例えば公園のトイレ,ウッドデッキ通路や文化財団の行う事業のコンサート名にもネーミングライツを行っております。
 さまざまな形でほかの自治体も工夫をしております。財源確保と地域企業の活性に効果が高いと考えられますが,質問として,春日井市におけるネーミングライツ導入に対するお考えを伺います。
 続いて,新たな広告事業について。
 春日井市では,現在,広報,ホームページのバナーやバス,各種パンフレット,高蔵寺駅の地下通路など,工夫を凝らして年間の広告収入1,400万円を得ております。名古屋市の例を挙げると,人口規模も違いますが,ネーミングライツ以外の広告収入は1億4,000万円を得ております。ここ数年は景気の不安定だったことから,企業側の広告に求める価値の変化もあり,より効果を求める傾向にあります。技術の進化により,デジタル化や印刷物の技術も上がっていることから,自治体広告の種類も大きく変貌しております。ほかの自治体を調べてみると,デジタルサイネージを取り入れているところも多くあります。
 デジタルサイネージとは,表示と通信にデジタル技術を活用して,平面ディスプレーやプロジェクターなどによって映像を表示する広告媒体です。デジタル通信で表示内容をいつでも受信が可能で,内蔵記憶装置に多数の表示情報を保持することにより動画表示を行うなど,多様な映像広告を展開することができます。従来のポスターや看板と異なり,通信ネットワークを利用することで表示内容をリアルタイムに更新したり,複数の広告を配信したりすることができます。また,その他の広告事業としては,ベンチ椅子に広告を載せたり,バス停広告のデジタル表示をしたり,市民病院内広告,ウオーターサーバー,写真撮影機,屋外駐車場フェンス,街路灯フラッグなど,ありとあらゆるもので広告収入を得ております。
 質問として,春日井市における今後の広告についてどのようにお考えかお伺いいたします。