最近、無線家が少なくなってきたせいか、ヤフオクでの魅力的なレガシーなツールが出ています。今回長年欲しかったBird43のパワーメーターをゲットしました。パワー&SWRメーターは既にいくつも持っているのですが、日本製は堅いし、正確なパワーが分からないので、手に入れてみようと思いました。今じゃBirdは、円安もあり、新品ならメーターとセンサーだけで十万円をはるかに超える値段でしか買えませんが、格安で出ていたので良かったです。センサー部分はプラグインエレメントと言って、通称スラグと呼ばれます。これが新品に近いようでしたし、シリアルナンバーも28万代で新しいものでした。

早速テストしたところ、最もBirdに近い値を示したのは台湾メーカーのPOWERメーターでした。米国製は針が触れすぎ。日本製は近いのですが全体的に堅かったです。AVGとPEP両方計測できるトグル付きで、なかなか良いものを手に入れることができました。

Bird43というパワーメーターは、メーター内の導波線から漏れ出てくる電磁界をダイオードで検波して図る仕組みなのですが、これを考えたオハイオの技術者は素晴らしいと思います。大学、大学院で通信工学を学んだ自分では絶対に思いつかないだろう構造をしています。これだとスラグを変えるだけで、広帯域のRFを計測できますし、スラグを取り換えるだけで切り替えもいりませんよね。導波線からスラグの物理的な距離を合わせる機械的な精度さえ出せれば、ハイパワーの電流通過による経年劣化も低く抑えられますしね。何十年もモデルチェンジしない理由が分かりました。素晴らしいギアです。