小1のときに担任した竜。

彼は施設から通っていた男の子。

当時から見た目もキャラクターも可愛くて愛されていた。

そのときは、まだ新米で若かった彼は、私にプチ反抗することもあった。


それから七年の月日が経った。今年、彼は高1になり、施設が変わったことで、私が赴任している入学してきたのだ。


4月。何か見たことのある子だなと思っていたら、竜だと判明。声を掛けてみると、私の名前は分からなかったが私の存在は覚えてくれていた。学校で合うたびに挨拶をしていた。


先週の金曜日。体育館で授業をしていると、作業学習中の竜の姿が。竜も私の存在に気づくとささっとほうきを取り、「掃除をしてますよ。」と声が聞こえそうなほどのアピールぶりで掃除をし始めた(笑)


私が挨拶をすると、竜は

「明日来る?」と。「明日は休みだよね?」と普通の返しの私。彼はすかさず、「明日夕晴(施設の名前)のお祭りだから来て。」と私を誘ってくれた。


いいことを聞いたと思い、次の日私は夕晴へ向かった。


夕晴では、彼はポップコーンの売り子だった。

大きな声で「いらっしゃいませ〜」と宣伝をしていた。ハキハキと宣伝する彼に、しっかりした声が出るようになったと少し感動。ポップコーンをいただくことに。美味しい。


ひたすら「いらっしゃいませ」ばかりの彼に、「めちゃめちゃ美味しいね、美味しいですよと言うとたくさんお客さんが来るよ」と言うと、「いらっしゃいませー!美味しいですよー」と力の限り伝える彼。可愛か。


私はすぐに帰るつもりが、一緒に館内を回ることに。館内では、いろんな人に声を掛け、楽しく会話をし、いかに愛されてるかが伝わってきた。昔から人懐っこかったな〜なんて思い出していた。


買い物の場面では、「いくら?」と聞かれたので、300円だよと言うと、100円玉を3つ出してお店の人に渡していた。小1のときは、5までの数をひたすら練習したな。

プラバンにお絵かきをしてプラバンを作るときは、自分の名前を書いていた。小1のときは、名前のマッチングをしたなあ。自分の名前の文字分かってなかったのに、自分で名前が書けるようになるとは。

8年間でこんなに成長するんだ。いろいろな先生に出会って成長したんだなあ


それから、立派に育ったなあと成長させられた場面もいくつか。館内に入るとき、彼が自分から私の体の方向に合わせてスリッパを差し出してくれた。彼がカルピスを飲むときは、麦茶がたっぷり入った紙コップを見て、「早く飲んで。」と。ごくごく飲んで差し出すと、たっぷりカルピスを注いでくれた。


嬉しさのあまり写真をパシャリ


おこづかいを使い、小さい哺乳瓶に詰め放題のお菓子を詰めた彼。食べるときに手を出してと私の手にそのお菓子をのしてくれた。それだけでなく、あの人にもあげたいと動き回り、配りまくる彼。「ありがとう」をたくさん言われる彼。愛されるマインドを持ってる。幸せになれると確信。親の愛情を目一杯受け取らずに育つとケチに育つなんて聞いたことがある。彼はまっすぐ、純粋に愛を与え愛を受け取ることができている。立派に育っている。大感動。小1のときのイヤイヤとかヤダとか言われ困らされた時を思い出しながら、立派に仕上がった、子供の成長、9年間の育ちを感じた。


竜、幸せになってね!


竜、たくさんの愛をありがとう


教師をしていて良かったと思った。