早いもので、9月も終わりですね流れ星

 

先日、録画していた黒澤監督の「天国と地獄」を初鑑賞しましたカチンコキラキラ

もうね、これ、邦画??びっくりっていうぐらいモダンビックリマーク(フランス映画のよう)

ラストにかけての怒涛の展開に圧倒されました。

実は、黒澤さんの映画、まだ4本しか観ていません。

「生きる」 「七人の侍」 「椿三十郎」

そして、今作「天国と地獄」炎

どれも素晴らしいのですが、個人的には今作が一番好みでした音譜

 

今作の面白いところは、

誘拐事件の犯人を追うサスペンスものかと思いきや、それだけではないところビックリマーク

寂しさや憎しみ、人間の心の闇が存分に描かれていて、

ラストカットは本当に切なくなりますえーん汗

 

企業のお偉いさん権藤(三船敏郎)に一本の電話が電話

「お前の息子は誘拐した」

しかし誘拐されたのは、権藤の運転手の息子だった。

 

5000万円の株を買うか?

それとも3000万円で子どもの命を助けるか?

 

自分の生活を死守したい権藤

なんとかして我が子を救いたい運転手

その様子をじっと見守る警察

権藤を追い詰め、苦しめる犯人

 

やりとり、一言一言に目が釘付けになります目

 

なんといっても、物語後半ビックリマーク

麻薬中毒者のたまり場。圧倒的な迫力。

そして、禁断症状で幻覚を見る女の静かな狂気。

この場面、鳥肌が立つほどスゴイんですびっくりキラキラ

 

「君はなぜ、君と私を憎み合う両極端として考えるんだ」

 

自分は不幸だと決めつけることで、自らの行いを肯定しようとする犯人。

でもね、どうしても根っからの悪人には見えないの。

「死刑は怖くない」と笑いながら、やっぱり寂しそうで。

彼の強がりは権藤さんにも伝わる。

だからこそ、責める気にもなれないんです。

 

「幸福な人間を不幸にするってのは、不幸な人間にとって、

なかなかおもしろいことなんですよ」

 

「君はそんなに不幸だったのかね」

 

切なさ、やりきれない感情が渦巻く、

なんとも余韻が残るラストカットが強烈拍手キラキラ

 

午前十時の映画祭でも上映されるので、

また観に行こうか、迷ってしまいます流れ星