おまえ5年間ずっと家に引きこもってたらしいな。

「そ、そうだよ。誰から聞いたの」

おまえのお母さん。

「あー辛かったな、外の世界に出られないってのは」

それなら早く出ればよかったじゃん

「い、いやね、ギネスで記録作ろうと思ってさ」

あ、家で引きこもりながら何か挑戦してたわけだ

「違うよ、引きこもること自体が挑戦さ」

証拠は?家にいる間、ずっとカメラでも回しているわけ?

「そうだよ、部屋の至るところのカメラが設置されているね」

怖い部屋だな、誰も遊びにこないよ。

「うん、僕が部屋に入れたくないってのもあるけどね」

人の声聞かないで、さみしくないの

「だってテレビもあるし、ラジオもある、インターネットだって使えるもんね」

逆吉幾三だな。はぁーテレビもある、ラジオもある、インターネットだってある♪

「そうだね、アニメを見ることが唯一の楽しみだからね」

24時間いれば、全てのアニメを網羅できるもんな

「うん、地上波で流れているものならほとんど見たかな、これから二週目」

ゲームじゃないんだから、飯はどうしてんの?

「親が作ってくれるよ、デリバリーだってあるしね」

お前ん家、お金持ちなんだな。

「そうだね、父は医者だからね、一年に一億は稼ぐよ」

とんだ足かせだな

「でもギネス挑戦するからって言ったら、承諾してくれたよ」

だったら5年と言わず、10年でも引っこんでればよかったのにな

「えっ?」

まぁでもおめでとう。これで世界一って胸張れるな。

「田中がこのギネスブックを誕生日に渡してくれたおかげだよ」