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白い猫とワルツを

猫と暮らす毎日についてです。

猫の毛が薄くなってきた。
暑くなってきたせいだと思いたいけど、確実に年齢も影響している。
猫は8歳になる。
一緒に暮らしてもう8年も経つのかと驚くとともに、8年間も夢のような毎日を過ごしてきたのかと嬉しい。

今まで生きてきて、人間を含めた生き物にこんなに愛されたことがあっただろうか。
それと同時にこんなに生き物を愛したこともなかった。

小学生の頃から今でも実家では犬を飼っている。
通算4匹いたうちの1匹は私にかなり懐いてくれていた。
家に帰る坂道を登っていると、私の姿を見つけて飛び跳ねていた。
実家を出るときにはその子が恋しくて泣いた。
でもなんというか犬は家族の共有で、みんなで育てて愛でる存在だった。

この猫は私の初めての猫。
初めての私だけの猫だった。
家族で飼うのではなく、私がお世話をする猫。

小さい頃はペットを飼うのが夢だった。
未だにそうなんだけれど人と目を合わせるのが苦手で、他人にどう思われているのかが気になって仕方なく、唯一なんの気兼ねもなく接することができたのが動物だった。
大人になって振る舞いは覚えたけど、根底は社会不適合者なんだと思う。

猫は目が綺麗だった。
初めて見たときにこんな綺麗な目の子が私の元に来るのかと震えた。
世界を手に入れるようなものだと。
実際、私は愛に溢れた世界を手に入れてしまった。

猫は私としか暮らしていないから、私のことを好きでもなんでもないけど仕方なく一緒にいるのではと考えることがある。
他の人と暮らしたら猫はもっと好きな人間に出会えるのかなと。
でもそんなことをするのは私が無理なので日々邁進するしかない。
猫にとって暮らしやすい家にするのだ。

そう思って8年目前。
一生私だけの猫でいてね。
私が死ぬまで生きてね。