こんにちは




昨日の裁判、かなり大きく取り上げられていましたね


JRvs認知症のおじいさん(と遺族)


国家の軍配はおじいさんに上がりました。



私はあの裁判官さんは認知症の老人が身の回りにいたんだろうな、とそしてよくぞ判決だしてくれました!と思いました。


当然のごとくTwitterには
「JRが姥捨て山と化すだろう」と拡散されています。



お前ら、3日でいい。
ボケた老人と生活してみろ。



我が家の祖母は脳梗塞と脳出血の同時発症というレアケース
10年以上たちましたがもう孫の私が誰だかなんてわかりません。
脳血管性の認知症です。

祖母は運良く、病院を転々とした後特養に入所でき今もお世話になっています

幸いにも(?)麻痺があるので徘徊はできません

ですが自分の若い頃の感覚で動こうとするのでベッドから転落したりして文字通り骨を折りました

年を取ると子供に戻ると言いますが
ボケた老人は子供とは違います。
聞き分けがないのではなく、聞き分ける力を無くしてしまったのです。

「安全」という概念を忘れてしまったのです。

「ボケ」、は「呆け(ほうけ)」、つまりは「ぼんやりする様」

ぼんやりするのはぼんやりする以外の事を忘れてしまったから。


裁判で争われた御老人は家族の出来る限りの協力があったのです。
要介護度4、認知症高齢者自立度4
これは活動できてしまう中でももっとも重症であると言えるでしょう。
(5段階ですが5は寝たきりです)

着ているもののすべてに名前をつけ、
高齢の家族が見張り、
センサーをつけ、
それでも事は起きたのです。


JRは改札を無賃で通り抜けた時に見つけられるはずでは?
なぜホーム端の危険区域にでる扉に鍵がかかってないの??
防犯カメラは無いの??


今回の裁判ではJR側の不手際は認められず遺族に遅延、振替輸送等の賠償として719万を要求しました

それはすべて、JRがしっかりしてればよかったのでは?

無賃で通り抜けた時に保安要員は何をしていたの?

鍵をかけていればそこから出ることは無かったんじゃないの?

カメラでちゃんと監視していれば電車を安全な距離で緊急停車させることもできたんじゃないの?




10年以上前の事件ですが、ご遺族がここまで粘ってくださった。
それは心のどこかに
「JRに有利な前例を作ってはならない」

という気持ちがあったのでは無いでしょうか?


これでJRの訴えが認められた場合、今後また認知症患者が事故に遭った場合「前例」を盾に莫大な保証を求められるでしょう。


今回はご遺族の訴えが認められたため、認知症の人とケアする家族に対して有利な前例を作れたのだと思います。


痛ましい事故が起きないことが一番ですが
万が一起きてしまったそのときに家族も首をくくるようなことになってはならないのです。


今回の裁判で、認知症に関して興味をもち、知識を得てくれる人がすこしでも増えることを祈ります。