
娘が昨日、本屋で購入してきました。
夢野久作「少女地獄」
私も中学生の時に購入したことがあります。表紙は今と違いました。

イカした絵ですよね。
有名な、一度読めば精神に異常をきたすといわれた「ドグラマグラ」
中学生の私は、読んでも途中でメゲてしまいました。意味がわからないというか…難解で…読みにくい!?
そこで少女地獄にチャレンジしたところ、読みやすく面白かったのです。
短編集で中でも「火星の女」が一番好きでした。
主人公の甘川歌枝は、身長が高すぎたようで、小さい頃からノッポと呼ばれてからかわれます。
高校生になってあからさまな嫌がらせはなくなりましたが、私は、あんな容姿ではなくて良かったというような顔をされたようです。
両親には「カタワならカタワでまた別の分類があったろうに」と陰でいわれ…
校長先生にまで火星の女と言われてしまいます。
そんな回りの環境が早くから甘川歌枝をタッタ一人ぼっちの文学少女にしたと書かれていました。そのあまりの虚無感。描写が素晴らしい。
”青い空をジイッと眺めるのを一つのたのしみのようにしておりました。
私の心の底の底の空虚と、青空の向こうの空虚とは、全くおんなじ物だと言うと事を次第次第に強く感じて来ました。”
私も小さい時から頭一つみなより大きかったのはコンプレックスでした。
甘川歌枝と私が重なって読んでしまったふしもあります。
身長は164、5で止まりました。
これで、美人でスタイルもよかったら身長も武器になるんでしょうが、普通より劣っている私は、目立つ身長はいりませんでした。
このくらいで止まって助かったとも思っています。私の身長ですらあんなに言われ続けたのだからもっとある人は甘川歌枝のように死を選んでも仕方がないとも思えました。