監督VSプロデューサー | なないろDreamer

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僕のプロデューサーかけだし日誌

著者「落合茂一」
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うる星やつらのファンクラブから購入した本です。

もう、アニメうる星やつらが終了して何年も経ってからの本なので、裏話満載でしたね。

一番印象的だったのは監督であった押井守とプロデューサーの落合氏のバトルですね。

押井守が好き勝手暴走するので、かなり弱ってるみたいでした。

「誰が一番偉いと思ってるんだ!プロデューサーが一番偉いんだ!」
と、叫んだとか…。

私は正直言って斬新な発想をする押井守派でしたので、読んでいても落合氏とは合わないと感じました。

落合氏はごく普通の考え方をする方でした。

私が大好きな「そして誰もいなくなったっちゃ!?」
「みじめ!愛とさすらいの母」など、うる星やつらでは異質な押井守オリジナル話は、『ああいう作品は、アニメうる星やつらの寿命を縮めた』と書いてました。
大衆向けとして成功した映画「うる星やつらオンリーユー」は落合氏も高橋留美子もオリジナル作品ながら満足な出来でした。

でも押井守は不満でした。次の映画「うる星やつらビューティフルドリーマー」では、最初に内容を落合氏も好きそうなものを見せ納得させ、でも実は全然違う内容のものを作りあげました。
もう納期まで時間がなく、押井守の計算通りです。

落合氏は、フィルムを抱きしめながらガタガタ震えたそうです。

ビューティフルドリーマーは賛否両論をかもしだし、マニアには評価の高い作品になっていきます。押井守の名も広まりました。

高橋留美子は「あれは押井さんのうる星やつら」と、いい気分ではなかったようです。


アニメうる星やつらの寿命を縮めた…


最近私はその意味をやっと理解出来ました。

例えば、アニメクレヨンしんちゃんの映画は、毎回安定した出来で見に来る人も安心感をもち、見に来ています。

うる星やつらも軽快なドタバタラブコメディーを毎回期待して見に来たお客さんは、異質な話にビックリしてもう見ないという場合があります。

落合茂一氏は、うる星やつらを長寿番組にしたかったんだなと今更ながら思いました。

でも私は、異質な作品があったからこそ、ずっとファンなのです…。