ニューデリー(CNN) インドの首都ニューデリーを走るバスの中で起きた集団強姦(ごうかん)事件をきっかけに、同国全土に抗議デモが広がっている。今回の事件では、女性が日常的に危険にさらされている実態が浮き彫りになった。
ニューデリーの女子大に通う学生のシャルマさん(19)は、キャンパスを1歩出ると身の危険を感じると話す。市内では女性に対する性的暴行が続発しているといい、「ニューデリーは女性にとって安全な場所ではない」と言い切る。
警察によると、集団強姦事件は16日に市内を走るバスの中で発生。被害者の23歳の女性は暴行を受けて重体となり、病院の集中治療室で生死の境をさまよっている。警察はバスの運転手と未成年1人を含む5人を逮捕した。
公式統計によると、インド国内の強姦事件は1971年の2487件から2011年は2万4206件へと、過去40年で10倍近くに増えた。ニューデリーだけでも11年の報告件数は572件、12年は600件を超す。
シャルマさんはウッタルプラデシュ州の州都ラクナウの出身で、2010年に全寮制の女子大に入学した。ニュデリーの生活では不快な思いをすることも多く、通学途中のバスの中で痴漢に遭ったこともある。その時は実家の両親に電話して一晩中泣き続けたという。
シャルマさんの同級生も、男たちの集団に毎晩のように後をつけられ、ジロジロ見られたり、ひわいな言葉を浴びせられるといった不快な経験があると打ち明けた。
そこで身を守るために催涙スプレーを携行し、護身術を習い始めた。通りを歩くときは友人と手をつなぎ、タクシーや三輪タクシーに乗るときは、ナンバープレートの番号と自分の居所を携帯メールで両親などに送って知らせるという。
人権活動家は、「女性を性の対象として利用し、乱暴する相手とみなす風潮が間違いなくある」と指摘する。抗議の声が強まる中、議員からは強姦事件の加害者に対して極刑を科すべきだとの声も出ている。
女性に対する偏見は、インド社会に根強く残る家父長制に起因するとの見方もある。子どもは女の子よりも男の子の方が望まれ、6歳までの子どもの男女比率は2011年の統計で、男の子1000人に対し女の子は914人と、10年前の927人に比べてさらに減った。
性別を理由とした人工妊娠中絶は禁止されているにもかかわらず、不法営業のクリニックなどが手術を行っているのが実態だ。
法律の専門家は地元紙に寄せた寄稿で、法律だけでは女性に対する偏見はなくならないと指摘、「法律を増やしたところで対策を講じたという気になるだけで、実際には何もしていないも同然だ。最悪の事件という形で露呈された憎悪に対峙(たいじ)するため、社会として前進しなければならない」と訴えている。
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