昨日の話、としながら一昨日の話。
早いんだ。時間が経つのは。

貸衣装屋さんに行ってきたんです。近々大切な行事を迎えることになっているので、その準備をしなくてはいけないから。

ふと、その節目を現実のものとして見ている自分に不思議さを感じました。

物心がついたばかりの頃、東日本大震災が起きて。

生まれてから、まだ両手で数えられるほどの年にそういうことが起きたから、また同じくらいで同じようなことが起きるんだと思ってしまっていた。

私は大人になれないと、思っていた。

だから子供ながら、大人と同じものを食べようとしたし、今を楽しむことが第一優先になった。
今じゃなくたって出来ること、そんなもの無いと思った。
大人になった時に美しいとされるものを目指さずに、子供として美しくあろうとした。

そうやって、心をそこに置いたまま時間だけ大人になってしまって、そういうお衣装を選んで来ました。

きっと、あの頃の私も好いてくれると思う。

ぱっ、と。少しの濁りも無い鮮やかなお花が描かれていて、たとえば幼児が託児所のイベントに着て登場しても、違和感の無いような。

それで良いのだろうか。

でも、まぁ、いいかな。どうせその日しか着ないものだしね。

何よりね、私のその衣装選びに、家族がみんな興味を持ってくれたことが嬉しかったんだよ。

送り迎えだけしに来てくれた父、衣装選び自体にも付き合ってくれた母、ずっと一緒に居てくれた妹。

誰か欠けることを、今までで一番、心が嫌がった。

時代も移り変わり、こういう家族の形は"普通"どころか"多数派"でもなくなりつつあって、どんな形でもそうやって生きてきた人も愛したいと思う。

でも私の見てきた景色はいつだってそれだったから、
私はそれに守られて生きて来たから。

あなたたちが私の心の防御壁を作ってくれた。
心の底から感謝しています。

今度はもうほんの少しだけ、時間を置いてから会いましょうね。

それでは。


追記。これは衣装屋さんがくれた野菜ジュース。
おいしかった。