中学受験の算数には還元算という単元がある。わからない数字を□として問題文に沿って式を立て、逆算して求める解き方だ。


中学校からはXを使った考え方になるので、中学受験をしないのであれば、還元算として身に付けなくても問題はない。

ただ、考え方自体はこの先も使うため、理解しておいて損はないだろう。


中学受験の入試問題の多くが、大問1で逆算が必要な計算問題が登場する。
たとえば、こんな感じ。

8-{7+(6+□)÷5}÷4=3
(20÷0.25-16÷□)÷1.25=20

ちなみに、答えは上から、59、16/55となる。
2題目のように分数が混ざるとわかりにくく感じるためつまずきやすい。


では、今日はみなさんに逆算を用いた文章問題を解いていただきましょう。

式自体は簡単に立てられますからご安心を。

ただ、文中の人物が不誠実な行為をしたせいで、しっかり読み解かないと間違えてしまうかもしれません。注意してお答えくださいね。



〈問題〉

O子さんは保湿乳液を買いに、ある市場へ行きました。お目当ての乳液は2本3190円のところ10%オフの2871円で販売しています。さらに割引キャンペーンもしており、合計3000円以上買うと300円引きになるため、O子さんは実質2571円だと周囲に触れ回りました。

O子さんの考え方の不適切な点を指摘したうえで、実際に割引が適用されるためには乳液以外にあといくら必要か、その最低額を求めなさい。



いかがでしたか?

以下、解答例です。


〈不適切な点〉
300円引いてもらうためには3000円以上購入しなければならないため、その時点で割引が適用されても支払い額は最低2700円が必要。よって実質2571円という表現が適切ではない。

〈式〉
2871+□=3000
□=3000-2871=129

〈答え〉
129円

〈補足・所感〉
なお、129円で買える商品はありませんし、実質2571円にもなり得ません。
私も市場へ出向き、該当店舗に行きましたが、その店舗では「実質2571円」とは謳っていません。しかも1500円以上の購入で100円引いてくれるので、それなら2771円で買えます。店舗に行けばすぐ理解できる料金形態です。

O子さんはそのことに言及しておらず、わざとなのか謎理論で値段を提示するため分かりにくいし、周囲への伝え方に問題があるように感じます。

せっかくの良品も、不誠実なアフィリエイターの手にかかると台無しですね。


*この投稿時刻をもって

 上記キャンペーンは終了しています