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思い出の鉄道~指宿枕崎線

九州の薩摩半島を走るローカル線だが、県庁所在地鹿児島市に乗り入れるのと、砂蒸し温泉で有名な指宿(いぶすき)を通るため、途中の山川までの運転本数は多い。でも、山川から先、終点の枕崎まではわずか5往復しか走らない。


僕は、山川のひとつ先の西大山まで乗ったことがある。


当時、西大山は日本最南端の駅だった。今は沖縄にモノレールができたけど、2本のレールで走る普通の鉄道では、今でもここが最南端だ。


日本最北端の稚内をスタートし、最東端の東根室、最西端の平戸口を通り、1ヶ月かけて西大山にたどり着いた。国鉄分割民営化の半年前、国鉄最後のダイヤ改正の3日前だった。


改正後のダイヤはそのままJRに引き継がれるから、国鉄最後のダイヤのうちにこのバカげた旅に出た。


国鉄分割民営化は本当に正しいのか、それを確かめるために仕事を辞めてまで挑んだ旅だったけど、最後までそれはわからなかった。


悪戦苦闘の旅のゴールは、畑の中のちっぽけな無人駅だった。無謀な旅人を祝福するかのように、大粒の雨が降っていた。


この時、西大山のホームから見た、雨に煙る薩摩富士開聞岳(かいもんだけ)の姿だけは、今もはっきり覚えている。

ちゃちゃんこちゃん

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