久しぶりに某チェーンの中華食堂に、仕事帰り寄った。
仕事が終わって腹ペコ、餓死寸前の人間の目には、財布でシワシワになった大盛り無料券が輝いて見える。
中華そばの大盛を注文し、シワシワの大盛り無料券を渡し、出て来たら即平らげる。
安くて、お腹一杯で最高だ。
欲を言えば、もうちょっとで良いから、具が欲しい。
まぁそれは、トッピングしなさいと言うことなんだろうけど。
暫し休憩。
雨が弱くなるタイミングを雨雲レーダーで、調べながら。
ぼちぼち終電組が慌て出す時間、やや客もまばらになったところで、隣に見知らぬ白髪のお爺さんが座る。
お爺さんはお酒とおつまみを注文し、晩酌を楽しんでいる。
ふと、急いでいる訳でも、用事がある訳でもないのに、何か帰らなければならないような妙な気がした。
席を立とうとすると、お爺さんが話しかけてきた。
話の内容は、要約すると以下の三点。
『可愛い顔してるから女の子かと思った。』
『下駄を履いている人は珍しい。』
『ファッションが全体的にチグハグだから個人的にはナシ。』
完全に帰るタイミングを間違えた。
同じ話のループで一時間弱。
いや、気分的には、永遠に感じた。
仕事後のゆったりした時間は、どこかへ逃げて行った。
「あたしはね?
お酒飲んでるから、言ってるんじゃないのよ?」
と、人のファッションのダメ出しが続いた時、既に顔見知りになっている店員のおばちゃんが、冷ややかな眼差しで、お爺さんを見ているのを、私は見逃さなかった。
常連さんではないのかも知れない。
とりあえず、そんな見ず知らずの人への謎の説教は、酔っぱらったせいにした方が良い、と、思った。
但し、変わっているのは認める。
そして、独りになりたい気分がMAXに達した時、どういう流れでそんな話になったのか、
「今の君があるのは、ご両親のお陰なんだからね?」
なんて、言い出したもんだから、僕は、
「はい!」
と、素晴らしい返事をして、席を立った。
勿論、時間のせいにして、あたかも終電に乗りそびれる的な、相手の気分を害さないフォロー付きだ。
会計で、店員のおばちゃんに、
「捕まっちゃって大変だったねーwww」
って言われたから、とりあえず笑っておいた。
実は、そんなに何とも思ってないんだけど。
家でまったりしながら、
『あのお爺さん長生きするだろうなぁ。』とか思った。
また会いたいとかは全く思わないけど。
☆本日の謝罪☆
可愛い女の子と隣に陣取ったと思ったのに、違くてごめんなさい。
話しかけなければ幸せだったね。