
3歳の時、パパのお仕事の関係で引っ越したから…
きっとそれまでの記憶

のんの両親は共働きだったから、
小さい頃ののんは、昼間母方のおじいちゃんとお留守番してたらしいの
おじいちゃんとは、一緒に住んでた訳じゃなくて
近くに住んでて、朝、ママがおじいちゃん家に連れて行ってくれてたみたい
おじいちゃんは、子供の頃にした水疱瘡が原因で
目があまり見えなかったの
だから、のんがお昼寝する時、絵本を読んでくれることはなかった
そのかわり、毎日お話をしてくれるの
毎日同じ、蛇のお話
3歳にならない子供に、天照大神のお話
ヤマタノオロチって今でも覚えてるもん
でも、のんはおじいちゃんの蛇のお話が大好きで
毎日それでお昼寝してたんだって
小さい頃の記憶で鮮明に残ってること…
夏に、お昼寝して…
目が覚めたの
お仏壇のある、おじいちゃんのお部屋
窓は、網戸になってて、太陽は少しかげりかけてる
のんは、『おじいちゃん』って呼ぶの
いつもなら、おじいちゃんは傍にいてくれて、
『なんや、もぉ起きたんか?』って言いながら頭をなでてくれるのに
いくら呼んでも、おじいちゃんの姿も形もなくて
急に怖くなって
不安になって
一人ぼっちが悲しくて
おじいちゃんを探しに、お外に飛び出した
おじいちゃん家は、交通量の多い国道のすぐそばで
絶対に一人でお外に出ちゃダメって言われてたけど
そんなこと、考える余裕なくて
とにかく、飛び出した
お隣のお家のおばあちゃんが、のんの泣き声を聞いて
ただ事じゃないって、駆けつけてくれたんだって
おじいちゃん、きっとゴミでも捨てに行っただけだから
おばちゃんとお家で待っていよう?
って、おばちゃんが言ってくれても
のんはおじいちゃんを探すんだって
泣き止まないし、聞かなかったんだって
トラックがたくさん通る道だから、のんを一人にするわけにもいかず
おばちゃんは、ゴミステーションまでおじいちゃん探しに行こうって
のんを抱っこしてくれて
探す…
おばちゃんに抱っこされても、おじいちゃんがいないから
のんは泣きっぱなしで
道の向こうに、自転車押してるおじいちゃんを見つけた時
おばちゃんの抱っこから飛び降りて
おじいちゃんにダッシュで駆け寄る
おじいちゃんは、慌てて自転車ガチャンってこけて…
のんをギューッとしてくれる
こんなに早く目を覚ますと思わなかったよ
ごめんよ
おじいちゃんが悪かったよって
もぉ泣かなくていいよって
おじいちゃんの目にも涙が滲んでて
それを見て、のんは悪いことしちゃったなぁって
裸足でお外に出ちゃダメってこと、
一人でお外に出ちゃダメって、たくさん約束やぶったことに気づいて
おじいちゃんに、小さい声で言う
約束やぶってごめんなさいって
おじいちゃんは、今日が最後やで?もぉやったらいかんよって
頭をなでてくれる
のんは、おじいちゃんの自転車の後ろに座って
おじいちゃんは自転車を押して歩く
おじいちゃんは、のんと一緒の時には自転車に乗らないの
のんを運ぶ手段として自転車を押すだけ
お空は、だんだん夕焼け色になって
歌を歌いながら、おじいちゃんと二人、お家に帰る
今でも鮮明に覚えてる、子供の頃の記憶

おじいちゃん、今はもぉいない
他にもたくさん思い出あるはずなのに
なぜかこれが、一番鮮明な、おじいちゃんとの記憶













































