自分にとって一番インパクトの強いトピックを一つ選ぶ。そのトピックを論文のメインとなる「問い」の形に絞り込んでいく。問いは「ーーとは何か」という形をしていて、ここに大雑把なものが入ると問いらしきものになる。新書レベルとはいえ、それなりにまとまった本を繰り返し呼んで、要チェック箇所を探すという作業を通過すれば問題をクリアに取り出せる。集めた資料のいくつかは無駄になることを覚悟で、結構専門的な資料もひろく集める必要がある。問題の絞り方のコツは、問題を小さく絞り込むこと。図書館の雑誌記事索引を使う。専門雑誌に載った全てのタイトル、著者、ページ、掲載誌がわかるもので、これで役立ちそうな論文を調べ、図書館で現物を探して、コピーしておく。膨大な資料を集めたら、アブストラクトを読んで選別。論文の最初のところに、おおよその内容をまとめたものが付いている。
教員のアドバイスは重要。「ここまでは自分でやりました、自分で調べました。」といえば、論文のアイデアや次に読むべき新書などを教えてくれる。
学会誌に載っているまともな論文を手元において、その形式を模倣しながら書くと良い。型を身につけるにはマネが一番。
論文の構成要素は、「1.タイトル・著者名・著者の所属機関」2.「アブストラクト」3.「本体」4.「まとめ」5.「注、引用、参考文献一覧」
論文のタイトルには、「この論文を読むと、読者は何がわかるようになるのか」を書く。
アブストラクトとは、論文の内容を一段落くらいで手短に要約、紹介した論文概要のこと。ここに書くべきことは、論文の目的、結論、本体でどのように論が展開されていくか、扱った素材が何であるか、調査方法と対象などだ。「はじめに」などとしてかくとよい。アブストラクトの形として書けるということは、その論文にちゃんと問題提起と解決、論証があるということ。自分の書いたものがきちんと論文になっているかどうかがチェックできる。要約は、文章を一様に短くすることではなく、文章を「問い、答え、論証」の形に再構成すること。筆者・自分がどのような問いを立てているか、それにどう答えているか、その答えのためにどのような論証をしているか。
本体では、「1.問題提起と問題の分析・定式化」2.「主張」3.「論証」の三つ。1.では、どういう問題に取り組むのか、その問題がどういうものなのか、どうしてその問題が生じたか、その現状分析。その問いに取り組むことにどんな意義があるのか、問題の分析。たとえば、1に問題の背景と重要性を述べて、2で問題そのものを明らかにする。3でその問いに現れた言葉の意味を説明したり、問題の説明をする。4で問題の分析をする。
論証では、用いた調査の方法や結果、データ分析の説明。使用した他人の研究結果や論文、引用、その人の見解など。自分の見解との比較。これまでの研究の流れの中に自分の主張を位置づける。
パターン
A問題提起、結論、論証
B問題提起、論証、結論
C問題提起、先行研究の批判、結論、論証
まとめでは、わかったことを一言でまとめる。やり残した仕事、この論文で扱えなかった論点を指摘。自己評価として、自分の論点が正当化、ほかの立場に比べてどの程度優れているかなども書いておく。
論文はまずアウトラインを作る。アウトラインが太ったものが論文。アウトラインが育っていく過程で、だんだん変わっていくと良い。漠然から明確へ向かうには。例1問い「チャレンジャー号爆発から何を学ぶか」という漠然とした問題を細分化していく。細分化されたサブ問題やサブサブ問題に一つ一つ答えて行くことで最初の大きな問題に答えられる。この大きな問いを攻略可能な幾つかの問いに分けるための方法として、仮想敵を作る。相手と自分が持っている武器と、自分の武器を使うことによる副作用を考える。ある根拠で主張した時にそのほかにどんな主張を引き受けることになるのか。キーワードに次々と問いをぶつけることで新しい問いを取り出す。自分の能力、時間、資料が手に入りそうかどうか新しい論点が手に入るかどうかから、どの問題や話題を論文に取り込むか決め、それ以外はバサバサ捨てる。
論文には結論が必要で、結論には十分な根拠を持った論証が必要。自分で自分にツッコミを入れることでより説得力を持たせられる。自分の論文が批判されることを想定してみる。
一つのパラグラフで一つのことを言い、それらを論理的な関係を明示しつつ組み上げたものが論文。この一つのこととはトピックセンテンスであり、パラグラフの先頭に置く。