是-ZE- (9) (ディアプラス・コミックス)/新書館
¥600
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「是」9巻は、彰伊×阿紗利編です。
これまでちょこちょこ小出しにされていた彰伊×阿紗利の集大成&完結編です。
これまで出て来たストーリーがもう一度なぞられていて、ここは実はこんな風に思ってたんだ、ここの言葉の本当の意味はこうだったんだ、と答え合わせをしていくような快感があります。
2人の過去もでてきます。
1巻の発行が2005年でこの9巻の発行が2010年、この2人が完結するまでに実に5年もの歳月が流れているんですが、ストーリーも画も全然ぶれてなくて違和感なく読めます。スゴイ。志水さん超人。
阿紗利姐さんは「是」に出てくるキャラの中で一番好きです( ´艸`)
なんといっても、超美人
それに賢くて、厳しいけどほんとは優しくて、飄々として物事を達観してるのに俗っぽい所もあって、キャラとして完璧じゃないでしょうかww
関西弁はちょっと読みにくいけどf^_^;
対する彰伊。それまではオールバックに無表情の堅物ってゆうイメージで、阿紗利ほどの男の相手としてどうなの~と思ってたんだけど、いやいや、この巻を読むと彰伊が好きになります。
琴葉もかわいそうだったけど、彰伊の不憫さはそれ以上かな~。
少年の彰伊の決意は、胸に来るものがありました。
「是」は次の和記編で完結ですが、言霊師×紙様という一連の物語の中では、私的に一番盛り上がったのはここでした。
とにかくものすごく良かった。
※以下感想ネタバレします。ご注意下さい※
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
8巻の最後で、ついに白紙になってしまった阿紗利。
前巻の感想の所にも書きましたが、彰伊に口づけしようとして間に合わず、散っていく阿紗利に本当に泣けたし、阿紗利の最期の姿を見届けることもできなかった彰伊が、本当にかわいそうだった(TωT)
彰伊はもちろん、阿紗利を再生するよう和記にかけあいます。
でも和記は、再生した所で以前の記憶はなくなり元の阿紗利が戻ってくるわけじゃない、ただの紙人形に何をそんなに拘っているのか、と小さな紙人形になった阿紗利を千切り、核までも破壊します。
これにはほんとに腹立った!
その後の彰伊の言動は、読者の心を代弁してたんじゃないかな~。
彰伊もっとキレろ、和記の大事なもの足蹴にしちゃえ~と私も心の中で思ったw
「蓋を開けもしないで なぜダメだと決めつける」という彰伊の言葉通り、和記はいつでもやる前から諦めてる。この和記の諦めは前々から何度も語られていて、なんでこの人はこんなにふて腐れるのかな~って印象でした。
そしてお話は過去へと遡ります。
彰伊は三刀本家の長男。言霊を使って人を呪い殺すのがさだめの家に生まれて、次の当主には弟の琴葉が立つことになっていたものの、まだ幼いため仕事ができない。母とは死別し、父・貴光は言霊師ではないため、三刀本家で仕事ができるのは彰伊少年唯一人だった。
それなのに、琴葉に対する近衛のように、彰伊には守ってくれる大人はいなかった。
父は言霊により傷ついた彰伊に見向きもせず、唯一味方になってくれるはずの紙様の阿紗利でさえ、最初は彰伊に冷たかった。
というのも、もともと阿紗利は彰伊の祖父・力一の紙様で、生涯あるじは力一のみだと思っていた。しかも彰伊は力一が死ぬ一因になった男。
それでも阿紗利が彰伊の紙様となったのは、力一の「生きて守れ」という遺言があったから、仕方なくなったんですね。
その事実を知った彰伊は絶望します。
唯一の拠り所である阿紗利には嫌われ、三刀家にとって特別な存在だった力一は、自分を庇って死んでしまった。だから自分は未来永劫三刀家に尽くし、罪を償わなければならない。
少年だった彰伊には、背負うには重過ぎる宿命だったと思う。
そんな彰伊の絶望の中の、一筋の光が阿紗利でした。
思い足枷を引きずった彰伊少年に許された自由はただ一つ、阿紗利に恋することだったんですね。
彰伊が自分の宿命を逃げずに受け入れ、阿紗利に少しでも好きなってもらえるように「がんばる」決意をする時の顔が、もう、とっても切なかった(TωT)
自分の思い通りにならないことにもがいていた少年が、もがくことをやめて、決意と諦めが混じったような、ひとつ大人になったような、そんな顔でした。
そんな彰伊に阿紗利は、言霊師として仕事をする限りそばにいて守ってやる、と約束をしてくれます。
そう、この2人のキーワードは「約束」。
この2人はいくつかの約束を交わすんですね。
約束を守る為に、彰伊は全力でがんばります。
阿紗利に触れたいが為に、言霊師の仕事もたくさんした。
結果、それが阿紗利の寿命を縮め、2人の別れを早めることになったのは…本当に皮肉なことだと思います(T_T)
飄々としていた阿紗利も、刻一刻と自分の寿命が尽きる日が近づいているのが怖かった。
彰伊の傷を治せない、紙様としての力が衰えている自分が怖かった。
和記に「覚悟しろ」と言われた時の阿紗利の指が震えてたなんて、思いもしなかったよ…(TωT)
そして彰伊もわかっていたんですね。阿紗利の滅びの日が近いことを。
だから近衛との取引きに応じ、阿紗利に傷がいかないようにした。
阿紗利に跳ね返ってくる言霊の傷を、自分が受けた。もう少しの傷も、阿紗利につけないように…。
彰伊はわかっていたけれど、なんとか少しでも長く、阿紗利をつなぎ止めようと必死だったんですね。
ああもうほんとに、終わりの見えている恋人同士ほど切ないものはないですよ(TωT)
それでもやっぱり、最後の日は来てしまう。
小さな紙人形になった阿紗利を抱き締めながら泣く彰伊に、一緒になって号泣でした(iДi)
普段は自分の感情を押し隠し、やるべきことをぴっちりこなす無表情で堅物な彰伊の、一番人間らしい顔でしたね…。
さて、彰伊が能面に戻った所で(←?)阿紗利の再生が始まります。
弟であり最強の言霊師である琴葉も駆けつけます。
話はそれますが、最後に言霊を込めて「阿紗利」と呼ぶ彰伊の顔がイケメンすぎてビックリした!
この人こんなにいい男だったかしら、と思っちゃいました( ´艸`)
すごい大人の顔なのに、目にはちゃんと少年の頃の面影が残っていて、志水さんキャラクターの描き分け上手いな~と感心した一コマでしたよ。
そして、目を覚ました阿紗利。彰伊の名前がわかりません。
失敗だ、奇跡なんてないと言って、またしても刀を向ける和記。しかも今度はほんとにぶっ刺しやがった言霊師と元の紙様の絆が深ければ深いだけ、和記の意地悪も激しさを増しますよ
でもその刀に倒れたのは、阿紗利を庇った彰伊でした。
阿紗利は彰伊の傷を癒すため、口づけするのですが…。
なんと記憶が戻るんです!やっぱり~と思いつつも、感動しちゃいました(T_T)
阿紗利が散った日にできなかった口づけは、ここに繋がるんですね。
阿紗利には未練があった。果たさなきゃいけない約束があった。
だから戻って来れたんです。
ここ、氷見との対比でも面白いかな~と思います。
氷見は、元の自分に未練はなかった。元の自分のあるじは成間だったから。
成間のものだった自分とは別れを告げて、最後に玄間にお別れのキスをして、真っ白になって戻ってくるんですね。
対して阿紗利は、元の自分にやり残したことがあった。彰伊との約束があった。
つまり、元の自分で戻って来れるかどうかは、あるじに対する愛情の大きさではなく、どれだけ未練を残してきたか、なんですよね。
「来るよ ちゃあんと お前が呼べば いつだって」
幼い頃に交わした約束……もう、大号泣でした(iДi)
2人の絆は途切れることなく来世まで、いや何度でも、強く強く繋がったままなんでしょうね。
ところで、阿紗利はやっぱり力一に恋してたんじゃないかな~と思います。
この先にもそんな描写はないので、ただの憶測にすぎないですがf^_^;
阿紗利の力一に対する執着はすごいな~と前々から思ってましたが、ただの主従の絆なら、黄泉の国でまでその幻影は見ないんじゃないかと…。
つまりあの時点まで、阿紗利の心は半分は彰伊に、半分は力一にあったんじゃないかな。
でも黄泉の国で力一に別れを告げて、全て彰伊のものになって阿紗利は帰ってきたんじゃないかと。
阿紗利が力一への執着を完全に捨て、歩き出すのはあの場面からだったんじゃないかな~と思いました。
さてさてさて、この巻は、阿紗利の起こした奇跡を見て、和記が初めて長持ちの蓋を開ける所で終わっています。
次巻はいよいよ大ボス和記の登場です!
参加してま~す
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「是」9巻は、彰伊×阿紗利編です。
これまでちょこちょこ小出しにされていた彰伊×阿紗利の集大成&完結編です。
これまで出て来たストーリーがもう一度なぞられていて、ここは実はこんな風に思ってたんだ、ここの言葉の本当の意味はこうだったんだ、と答え合わせをしていくような快感があります。
2人の過去もでてきます。
1巻の発行が2005年でこの9巻の発行が2010年、この2人が完結するまでに実に5年もの歳月が流れているんですが、ストーリーも画も全然ぶれてなくて違和感なく読めます。スゴイ。志水さん超人。
阿紗利姐さんは「是」に出てくるキャラの中で一番好きです( ´艸`)
なんといっても、超美人
それに賢くて、厳しいけどほんとは優しくて、飄々として物事を達観してるのに俗っぽい所もあって、キャラとして完璧じゃないでしょうかww
関西弁はちょっと読みにくいけどf^_^;
対する彰伊。それまではオールバックに無表情の堅物ってゆうイメージで、阿紗利ほどの男の相手としてどうなの~と思ってたんだけど、いやいや、この巻を読むと彰伊が好きになります。
琴葉もかわいそうだったけど、彰伊の不憫さはそれ以上かな~。
少年の彰伊の決意は、胸に来るものがありました。
「是」は次の和記編で完結ですが、言霊師×紙様という一連の物語の中では、私的に一番盛り上がったのはここでした。
とにかくものすごく良かった。
※以下感想ネタバレします。ご注意下さい※
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8巻の最後で、ついに白紙になってしまった阿紗利。
前巻の感想の所にも書きましたが、彰伊に口づけしようとして間に合わず、散っていく阿紗利に本当に泣けたし、阿紗利の最期の姿を見届けることもできなかった彰伊が、本当にかわいそうだった(TωT)
彰伊はもちろん、阿紗利を再生するよう和記にかけあいます。
でも和記は、再生した所で以前の記憶はなくなり元の阿紗利が戻ってくるわけじゃない、ただの紙人形に何をそんなに拘っているのか、と小さな紙人形になった阿紗利を千切り、核までも破壊します。
これにはほんとに腹立った!
その後の彰伊の言動は、読者の心を代弁してたんじゃないかな~。
彰伊もっとキレろ、和記の大事なもの足蹴にしちゃえ~と私も心の中で思ったw
「蓋を開けもしないで なぜダメだと決めつける」という彰伊の言葉通り、和記はいつでもやる前から諦めてる。この和記の諦めは前々から何度も語られていて、なんでこの人はこんなにふて腐れるのかな~って印象でした。
そしてお話は過去へと遡ります。
彰伊は三刀本家の長男。言霊を使って人を呪い殺すのがさだめの家に生まれて、次の当主には弟の琴葉が立つことになっていたものの、まだ幼いため仕事ができない。母とは死別し、父・貴光は言霊師ではないため、三刀本家で仕事ができるのは彰伊少年唯一人だった。
それなのに、琴葉に対する近衛のように、彰伊には守ってくれる大人はいなかった。
父は言霊により傷ついた彰伊に見向きもせず、唯一味方になってくれるはずの紙様の阿紗利でさえ、最初は彰伊に冷たかった。
というのも、もともと阿紗利は彰伊の祖父・力一の紙様で、生涯あるじは力一のみだと思っていた。しかも彰伊は力一が死ぬ一因になった男。
それでも阿紗利が彰伊の紙様となったのは、力一の「生きて守れ」という遺言があったから、仕方なくなったんですね。
その事実を知った彰伊は絶望します。
唯一の拠り所である阿紗利には嫌われ、三刀家にとって特別な存在だった力一は、自分を庇って死んでしまった。だから自分は未来永劫三刀家に尽くし、罪を償わなければならない。
少年だった彰伊には、背負うには重過ぎる宿命だったと思う。
そんな彰伊の絶望の中の、一筋の光が阿紗利でした。
思い足枷を引きずった彰伊少年に許された自由はただ一つ、阿紗利に恋することだったんですね。
彰伊が自分の宿命を逃げずに受け入れ、阿紗利に少しでも好きなってもらえるように「がんばる」決意をする時の顔が、もう、とっても切なかった(TωT)
自分の思い通りにならないことにもがいていた少年が、もがくことをやめて、決意と諦めが混じったような、ひとつ大人になったような、そんな顔でした。
そんな彰伊に阿紗利は、言霊師として仕事をする限りそばにいて守ってやる、と約束をしてくれます。
そう、この2人のキーワードは「約束」。
この2人はいくつかの約束を交わすんですね。
約束を守る為に、彰伊は全力でがんばります。
阿紗利に触れたいが為に、言霊師の仕事もたくさんした。
結果、それが阿紗利の寿命を縮め、2人の別れを早めることになったのは…本当に皮肉なことだと思います(T_T)
飄々としていた阿紗利も、刻一刻と自分の寿命が尽きる日が近づいているのが怖かった。
彰伊の傷を治せない、紙様としての力が衰えている自分が怖かった。
和記に「覚悟しろ」と言われた時の阿紗利の指が震えてたなんて、思いもしなかったよ…(TωT)
そして彰伊もわかっていたんですね。阿紗利の滅びの日が近いことを。
だから近衛との取引きに応じ、阿紗利に傷がいかないようにした。
阿紗利に跳ね返ってくる言霊の傷を、自分が受けた。もう少しの傷も、阿紗利につけないように…。
彰伊はわかっていたけれど、なんとか少しでも長く、阿紗利をつなぎ止めようと必死だったんですね。
ああもうほんとに、終わりの見えている恋人同士ほど切ないものはないですよ(TωT)
それでもやっぱり、最後の日は来てしまう。
小さな紙人形になった阿紗利を抱き締めながら泣く彰伊に、一緒になって号泣でした(iДi)
普段は自分の感情を押し隠し、やるべきことをぴっちりこなす無表情で堅物な彰伊の、一番人間らしい顔でしたね…。
さて、彰伊が能面に戻った所で(←?)阿紗利の再生が始まります。
弟であり最強の言霊師である琴葉も駆けつけます。
話はそれますが、最後に言霊を込めて「阿紗利」と呼ぶ彰伊の顔がイケメンすぎてビックリした!
この人こんなにいい男だったかしら、と思っちゃいました( ´艸`)
すごい大人の顔なのに、目にはちゃんと少年の頃の面影が残っていて、志水さんキャラクターの描き分け上手いな~と感心した一コマでしたよ。
そして、目を覚ました阿紗利。彰伊の名前がわかりません。
失敗だ、奇跡なんてないと言って、またしても刀を向ける和記。しかも今度はほんとにぶっ刺しやがった言霊師と元の紙様の絆が深ければ深いだけ、和記の意地悪も激しさを増しますよ
でもその刀に倒れたのは、阿紗利を庇った彰伊でした。
阿紗利は彰伊の傷を癒すため、口づけするのですが…。
なんと記憶が戻るんです!やっぱり~と思いつつも、感動しちゃいました(T_T)
阿紗利が散った日にできなかった口づけは、ここに繋がるんですね。
阿紗利には未練があった。果たさなきゃいけない約束があった。
だから戻って来れたんです。
ここ、氷見との対比でも面白いかな~と思います。
氷見は、元の自分に未練はなかった。元の自分のあるじは成間だったから。
成間のものだった自分とは別れを告げて、最後に玄間にお別れのキスをして、真っ白になって戻ってくるんですね。
対して阿紗利は、元の自分にやり残したことがあった。彰伊との約束があった。
つまり、元の自分で戻って来れるかどうかは、あるじに対する愛情の大きさではなく、どれだけ未練を残してきたか、なんですよね。
「来るよ ちゃあんと お前が呼べば いつだって」
幼い頃に交わした約束……もう、大号泣でした(iДi)
2人の絆は途切れることなく来世まで、いや何度でも、強く強く繋がったままなんでしょうね。
ところで、阿紗利はやっぱり力一に恋してたんじゃないかな~と思います。
この先にもそんな描写はないので、ただの憶測にすぎないですがf^_^;
阿紗利の力一に対する執着はすごいな~と前々から思ってましたが、ただの主従の絆なら、黄泉の国でまでその幻影は見ないんじゃないかと…。
つまりあの時点まで、阿紗利の心は半分は彰伊に、半分は力一にあったんじゃないかな。
でも黄泉の国で力一に別れを告げて、全て彰伊のものになって阿紗利は帰ってきたんじゃないかと。
阿紗利が力一への執着を完全に捨て、歩き出すのはあの場面からだったんじゃないかな~と思いました。
さてさてさて、この巻は、阿紗利の起こした奇跡を見て、和記が初めて長持ちの蓋を開ける所で終わっています。
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