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「是」7、8巻、メインは近衛×琴葉編です。
8巻の最後には、彰伊×阿紗利編の極悪なヒキも入っています( ̄∀ ̄)

和記が大ボスとしたら、阿紗利は中ボス、琴葉は小ボスと言った所でしょうかw
物語がどんどん核心に近づいていくワクワク感があります。

ところで私、これまで読んできて琴葉のことあんまり好きじゃなかったんですね~。
天然系ショタ受けって一番苦手なタイプで…f^_^;
しかも天然のくせに一番の能力者ってゆうのもベタすぎてどうも…と思ってたんだけど、この巻を読んでその考えは吹っ飛びましたよ。
こんなにいじらしく必死で一つの愛を乞う子供を、嫌いになる人なんているだろうか。


近衛は攻めの中では一番好きかな~と思います。(彰伊も好きだけど。)
ストイックなお父さん。一時の感情に流されることなく、筋を一本通し切る強さのある男はやっぱりカッコイイです。
短髪はあんまりだけど、昔のハーフアップの髪はいいよね~~ドキドキ

※以下感想ネタバレします。ご注意下さい※


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物語は琴葉が4歳の頃まで遡ります。
琴葉の親代わりだった白波瀬が白紙に戻った為、琴葉のお世話をすることになった近衛。
しかし近衛は琴葉が置かれている状況を見て愕然とするんですね。

窓もない地下牢のような部屋に閉じ込められ、首にまかれた紐のせいで声を出すことも許されない。
琴葉の言霊師としての力が強すぎて、叫び声を上げると周りを破壊しちゃうんです。
和記はしつけと言ったし、この紐をまけと言ったのは実の親の貴光で、琴葉は周りの大人の愛情を一切受けることなく、孤独に育ってしまってるんですね。もう、ほんと、かわいそう(TωT)
いくら琴葉の力が強いとは言え、ここまでされる必要があったのかと思っちゃいます…。

ある日、琴葉は近衛を助けるために、声をあげてしまいます。
小さな琴葉は近衛を命がけて守ろうとした。
そんな琴葉を見て、近衛は琴葉の紙様として生きる決意をします。

初めてアイスを食べて、そのおいしさに涙を浮かべる琴葉がもう、なんとも言えずかわゆいです
窓もなく、おもちゃや娯楽も何もなく、ただ布団がひいてあるだけの小さな部屋で育った琴葉。
唯一の楽しみは、食べることと近衛だけなんですね…。

大きくなった琴葉がこんなにもアイスに執着し、食い意地が張ってるのも全てこのせいだったのか~と思うと、何とも言えずやりきれない思いがします。琴葉には選択の自由なんてなかった。はじめから。

そんな琴葉が近衛に恋心を抱くのも至極当然のことですよね。
琴葉の世界には、近衛しかいないんだから…。


それにしても、貴光には腹が立つむかっなんで実の子の琴葉を愛してやらんのだむかっ
貴光が愛したのは、琴葉の亡くなった母親で先代の三刀家女当主だった千乃(ゆきの)だけだったのか。
貴光は言霊師ではなく一般人で、それ以外にも深い事情があって三刀家では針のムシロだったのかもしれないけど、なんで自分の愛した女の忘れ形見である琴葉を可愛がってあげられなかったのか…。本当に琴葉が可哀想です(TωT)


さて、全身全霊で近衛に恋する琴葉。
近衛は琴葉の想いに応えることはしないけれど、琴葉を何よりも大切に、大切に育てていきます。
琴葉に言霊師としての仕事をさせるのを少しでも遅らせようと、彰伊と取り引きするあたり、近衛がどれだけ琴葉を大事に思っているかがわかります。

でもそんな近衛の努力もつかの間、琴葉が三刀家当主として初仕事をする日がやってくるんですね~。

そこで琴葉は初めて、近衛は人ではなく紙様で、自分の使った言霊のせいでボロボロに引きちぎれる所を目の当たりにします。

なんかもう、残酷な運命を背負ってますよね…。
紙様だから好きになったのではなく、好きなった人がたまたま紙様だった。
でも自分の仕事はその人を傷つけること、それが琴葉の背負った運命だった。

ボロボロに千切れた近衛と、泣きながら意識を失う琴葉を見ながら、手を叩く和記、ほんとにあんたは人でなしだよ。

全てを知った琴葉に、和記はさらに仕事をさせようとします。
仕事をしなければ紙様である近衛は白紙にされてしまう、でも自分が言霊を使えば近衛は傷つく…。

琴葉の出した答えは、言霊による災厄を全て自分が受ける、というものでした。

10代くらいだろうけどまだまだ幼い琴葉が、またしても自分の身を呈して近衛を守ろうとするんですね。なんていじらしいんだろう(TωT)

真っ赤に染まった瀕死の琴葉を見て、近衛は猛烈に怒ります。
どれだけ俺がお前を大事にしてきたか、俺が大事に守ってきたものをお前が粗末にするな、と。
ここもう、ほんとに泣けた(T_T)
この2人はお互いが自分よりも大切で、何度も命をかけて相手を守ろうとするんですね。
ここで初めて近衛は琴葉と体を繋げ、傷を癒していきます。

この2人の絆は、長い年月をかけてお互いが命がけで守り、大切に大切に育んできたものなんだと思いました。


さて、言霊を使った仕事をして近衛を傷つけたくない、近衛さえいればそれでいい、という琴葉の願いを叶えるべく、近衛は2人で三刀家を出る決意をします。

三刀家の現当主で、言霊師としての力も一番強い琴葉、そんなわがままが通るのかーーーと思ったけど、このわがままを彰伊が叶えてくれました。もちろんタダでとゆうわけにはいかず、近衛が琴葉に内緒で、自分の体で代価を支払うことになりましたが。

それにしても、彰伊……(´_`。)
隆成や琴葉のように言霊師として能力がありながら言霊師の仕事をしたくないという人の、その分のしわ寄せを、全部彰伊が被ってるんじゃないだろうか…。
仕事したくないから嫌、と逃げれる人はいい。
でも彰伊はそんなわけにはいかないよね。
その分も全て彰伊(と阿紗利、これからは近衛もだけど…)が背負っちゃってるんじゃないかと思うと、いたたまれない思いがします(´_`。)


同時収録では、相変わらずの雷蔵と紺のラブラブっぷりにによによさせられましたが、その後、とんでもないショートストーリーが待ってました。彰伊×阿紗利編です。

1巻から終わりの見えていた2人、阿紗利の白紙になる日は近いですよ~と散々SSで予告されてきましたが、ここにきてついに、阿紗利が白紙に戻ってしまうんですね。
しかも、外れた小指の赤い糸の代わりに、彰伊が二世の契りを誓った指輪を阿紗利に贈った、その夜に…。

わかっていたこととは言え、阿紗利が白紙になる瞬間はめちゃくちゃ泣けた(iДi)
「逝きとぉない お前をおいて 逝きとぉない」って涙を流しながら彰伊に駆け寄る阿紗利。
最後の口づけも間に合わず、散っていくんですね~(iДi)

しかも彰伊は眠っていて、阿紗利の最期の姿を見取ることもできないんです。
かわいそうすぎる!!
氷見が散る時には、ちゃんと玄間と口づけできたのに…。
でも、この最期にもちゃんと意味があるんですね。
そのお話は、次巻で。





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