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「是」はだいたい2巻で1カプの話なので、感想も2巻づつ書いていこうと思います。
1、2巻は雷蔵×紺がメインで、彰伊×阿紗利も少し出てきます。


※以下感想ネタバレします。ご注意下さい※


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調理師の専門学校に通う雷蔵君が、家政婦として三刀家にやってくる所からお話は始まります。
そこで雷蔵君は、人形師の和記、言霊師(琴葉、櫻花)、紙様(琴葉の紙様・近衛、櫻花の紙様・紅緒、言霊師を持たない紺)に出会います。

まずは基礎知識。
言霊師…三刀一族の中に現れる、言葉で他人を従わせたり、攻撃したりできる能力を持つ人。
紙様…言霊を使うことで言霊師自身に跳ね返ってくる傷や災厄を、身代わりに受ける、生きる人形。紙様が言霊師の傷を受ける方法は、言霊による傷の移行か、粘膜の接触。
人形師…和記のこと。紙様を作り、その生死を操れるだけでなく、時には言霊師の運命をも握る男。


一般人の雷蔵は、どう見ても人にしか見えない紙様・近衛の腕が吹っ飛ぶ所を見てパニックになるんだけど、和記から説明を受けて、言霊師と紙様の世界を案外すんなり受け入れます。
さすがBL的ファンタジーwとても柔軟な子wwとその時は思ったけど、後々思うに、この子は何であろうと受け入れる、とても器の大きい子なんだと。
きっとこの人達が吸血鬼や妖怪だったとしても、雷蔵君は受け入れ、変わらない態度で接するんじゃないだろうか。
雷蔵君の心は広くて、とても健全なんです。
「是」とゆう暗い死の影がつきまとう世界において、雷蔵君は一筋の光のような存在です。

この子がこんなに心豊か育ったのは、亡くなったおばあさんのおかげなんですね。
雷蔵君は早くに死別した両親の代わりにおばあさんに育てられるんだけど、このおばあさんが本当にいい人で(TωT)私このおばあさんのファンです。
雷蔵君とおばあさんのエピソードにはほんとによく泣かされたんだけど、その中でも一番印象的だったのが、おばあさんが幼い雷蔵に言った台詞。

「無理していい子にならなくてもいいんだよ。ありのままでいいんだ。ありのまま、誠実に。」

話はだいぶそれて私事になりますが、今私子育てをしてるんですけど、最近、娘をありのままでいいと思ってただろか。育つにつれて、いつのまにか自分が思う「いい子」を押し付けすぎてなかっただろうかと、とても、とっても、考えさせられました。


さて、話はそれましたが、そんな雷蔵が恋するのが紺。
紺は1人だけ言霊師を持たない紙様で、そのことでとても悩み、劣等感を持っています。
とゆうのも、言霊師あっての紙様。言霊師を持たない紙様は用無し、白紙(紙様にとっての死)に戻されるのが道理だから。
だから紺は役に立とうと必死なんです。仕事と称してお金で一般人の傷を負ったり、自虐的なまでに自分を傷つけて、追い込んでるんですね。

そんな紺を雷蔵は何度も何度も説得します。
役になんて立たなくていい。生きてるだけで、ただそこにいてくれるだけでいいんだよ、と。
大切な人と死別する辛さを、嫌という程知っているからこその言葉ですね。

雷蔵の言葉、好きという気持ちをなかなか受け入れられなかった紺だけど、徐々に気持ちが変わっていきます。
言霊師の傷を負う使命感しか知らなかった心が、他の感情も覚えていくんですね。

雷蔵は言霊師ではない。なのにその言葉は自分の心に響き、浸透していく。
2人はあるはずのない絆を結びます。

故郷でおばあさんの死を思い出して雷蔵が泣く所で、紺に紙様も泣くことがあるの?って聞くんだけど、紺は「雷蔵が死んだら俺は泣くと思う。自分が紙で良かったなんて一度も思ったことなかったけど、今日初めて紙で良かったと思った。俺はお前より先に死ぬことはない。」って答えるんです。
もう、ここ号泣だったんだけど、この言葉のもっと深い意味を知るのは、もう少し先のことなんですね。


私このカプとても好きです。悲劇や重たい運命を背負ったり、たくさん血や涙を流す他のカプに比べて、雷蔵と紺のお話はとても明るく、癒しになります。
「是」の中では珍しい、ぽかぽかあったかいお日様のようなカプでした。



さて、もう1カプの彰伊と阿紗利のお話。
彰伊は現三刀家の当主で、阿紗利はその紙様。
始まったばかりの雷蔵と紺の恋に対して、こちらは最初から終わりが見えているような感じ。とても切ないです。
このカプの話は9巻感想でまとめて書きますね。
阿紗利、めっちゃ美人だわ~~ラブラブ






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