さて、今さらながら「是」について…。

私がこの本に出会ったのは割と最近です。(なにせ最近腐ったもので;)
古本屋さんで見つけて、手に取ってパラパラしては本棚に返すとゆうことを何度か繰り返し、ようやく意を決して購入し、全巻通して読みました。

大御所さんの超大作とゆうのは知ってたんだけど、なかなか食指が動かなかった理由は、第一に私がファンタジーが苦手だから。
いや、正確に言うと苦手ではないんです。
ファンタジーって漫画のみならずどんな媒体でもそうだけど、ハマればすっごいハマるけど、ハマらなければなんじゃこりゃ、荒唐無稽の世界ですよね。
そしてハマったらハマったで、ハマる自分が面倒くさくなるんです。その世界にどっぷり浸かってしまうから。まるで麻薬みたいなもんです。だからファンタジーには気軽に手を出せないし、もし手を出すなら、心してかかります。
第二に、人が人以外のモノと交わるのを見るのが好きじゃない。これはもう単に生理的なものです。
最後に、百合が出てくるじゃないですか。あれがダメだったんです。

そんなわけで、なかなか食指が動かなかった「是」。
読んでみたら、そんな私の価値観を、小気味いい程ぶっ壊してくれました。

ファンタジーとか人が人以外とセックスしてるとか百合が出てくるとか、そんな小さなことじゃない。
お互いが命がけで愛し合っている、その物語に感動しない人なんていないと思う。

とにかくものすごく揺さぶられたし、泣いたし、この本から本当にたくさんのものを貰った。
この本に出会えて良かったな~と心から思える一冊でした。
この本を描いてくれた志水ゆきさんに、心から感謝します。

いやほんと、固定概念で本を選んでいたら名作には巡り会えないな~と、改めて教えられましたよ。

あともうひとつ、「是」のすごい所。
いろんなカップルが出てきて、本当にいろんなタイプの攻め、受けが出てくる中で、どうしても自分の好みじゃないってことあるじゃないですか。(全員どストライクよ!!とゆう強者のお姉様もいらっしゃるかもしれないですが…)
でも読んでるうちにどのカプにも愛着が湧くんですね。これほんと、不思議だった。
どの巻も、読んでるうちは「私このカプが一番好きかもしれない!」と思うんです。(←バカ?w)どのお話もとても説得力がある。

とにかくもう、ファンタジーとか嫌いなタイプとか、そうゆうもの全部ぶっ飛ばして、有無を言わさずこの本の世界に引きずり込まれる。読まされて、揺さぶられてしまう。
すごい本です。



さて、話は戻して、今さらながら「是」。

この前「花鳥風月」を読んで、久々に「是」を読み返してみました。
そしたら、以前読んだ時にはわからなかった発見があった。
読むたびに新たな発見ができる、これ名作の必須条件だと思います。

とは言え、まだ自分の中ではっきりしていない部分もあります。
和記のことです。
他のカプはあれだけきっちりオチがついているのに、大ボスの和記だけがぼんやりしたまま終わってる。
読者に解釈を委ねるのかな~と思いきや、あとがきに和記が本当に恋したのは力一、とはっきり書いてあって混乱しました。

私は、和記にとって一番大切なのは紙様である真鉄で、和記の望む奇跡は「真鉄を記憶を持ったまま再生すること」だと思ってたんです。
でも、それだけじゃないんですね。
ひねくれ者の和記、さすが、この人の本心を読み取るのは一筋縄ではいかないです。

この物語は、力一という絶対的な存在を失くし、そこから動けなかった阿紗利、近衛、和記が再び歩き出すまでを描いた作品だと思います。
最初に歩き出したのは近衛、次に阿紗利。
最後に、いろんなカップルが見せたそれぞれの奇跡を見届けて、やっと歩き出す和記。


まだ自分の中で納得のいく説明ができるかどうかはわかならないし、思ったことを上手く書けるかもわからないけど、とにかく「是」の感想を書いてみたいな~と思いました。
もしかしたら書いてるうちに見えてくることもあるかもしれないしね。
なんにせよ、言葉にした方が自分の考えがまとまりやすいタイプなんですww




*おまけ*

好きなカプは、玄間×氷見、彰伊×阿紗利、雷蔵×紺です☆
好きなキャラは受けの阿紗利と、攻めの近衛です☆









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