2.


歴史なんてただ丸暗記すればいいだけじゃないか、と思っている方。それは違います。


僕が中学生だった時のことです。縄文時代は狩猟漁労の生活が主で、食物を追って転々と移動する生活をしていたという教科書の記述に異議を唱えて、僕は先生にこう言った。


縄文土器は大きさや精巧さでは同時代のギリシャの土器をも凌ぐ部分がある。こんな大きな土器を持ちながら移動する生活をしていたはずがない。


僕の意見を聞いた先生は、なるほどそうだよな、でも教科書にこう書いてるんだからとりあえずこれで行こう、そう仰った。いい先生だった。


ちなみに、青森の三内丸山遺跡の発見以来、縄文ワールドは中学生の僕が思っていたような定住生活であったことが明らかになりつつある。


そして、佐賀県の吉野ヶ里遺跡の発見で、縄文ワールドと弥生ワールドにこれまで想像されていた以上の類縁性・連続性があることがわかってきた。


歴史/過去は常に塗り替えられる。再創造される。そういうものです。


このブログに僕が連載しているシリーズのひとつに、

古代史; 銅と出雲 ( 20 ) がある。


いまは[神無月の謎」という記事で止まっている、というか、止めていますが、なぜ止めているかというと、僕も翻訳家の端くれ、原稿料なしで面白い記事を書くのはもったいないから。


というのは半分くらい冗談です。

[つづく]