1997年、デビッド゙・ボウイはアーチスト、ミュージシャンとしては初めて

債券を発行した。


これによりアーチストの資金調達手段に

新しい地平が開かれることになった。

さすがはボウイだ。


このデビッド・ボウイ債は

フィナンシャル・エンジニアリング,金融工学を駆使した債券で、

専門的にはABS債(asset back securities)、

資産担保証券と呼ばれる。


これはジェームス・ブラウンその他のミュージシャンが、

同様の債券を発行する先駆けとなった。


この債券発行の裏付け、担保となるキャッシュ・フローは

1990年以前に録音された自身の楽曲(278曲、アルバム25枚)

の著作権が生み出す利益と、将来ライブで稼ぐお金をだった。


当時、格付会社のムーディーズ・インベスターズ・サービスは

この債券にA3の長期信用格付けを与えた。


そしてデビッド・ボウイ債は全額、

アメリカの保険会社プルデンシャル・ファイナンシャルが

一括して(総額5,500万USドル)を買い取ったと言われる。


アラブの王族が最終的に買い取ったという情報を

耳にしたこともありますが、

定かではありません。


その後、ネットの拡大で音楽業界が不振に陥ったため、

ムーディーズは2004年5月に格付けをBaa3に下げたという。


[つづく]