ジョン「アランとバードンがミックとキースのように成長できたかどうかは疑問だ。曲を書く努力はしていたが、いわゆる主流と呼ばれる類いのサウンドには達していなかった。ストーンズのように今でも輝きを失わないと言うところまではね」

バードン
「アランと僕が曲を書こうと思い始めた頃、朝日のあたる家の金が入ってきた。やっと腰を落ち着け、孤独の叫びやアイム・クライングができてきた。ビートルズやストーンズみたいに大きくなろうとしているときに、彼はボブ・ディランたちと行ってしまったのさ」

初めての小切手を貰った日にアランは行ってしまった。

バードン「小切手を受け取るや否や消えてしまった。

裏でマイク・ジェフリーズがかんでいたのかもしれないな。アラン・プライスはマイクの秘蔵っ子だった。頭の中にはアランの2 番目のバンドの構想があったんだろう。マイクはアランに付きっ切りだった」

ジョン「エド・サリバン・ショーを夜遅く撮り終えてリムジンで空港に向かい、イギリスに着くと電車に乗換え、リバプールからまたツアーに出た。 ヨーロッパの次にまたツアー。その繰り返しさ。もともと酒飲みのバンドだったけど、65年頃、ブライアン・ジョーンズがヒルトンにLSD を教えたんだ。ヒルトンがバードンに教えて、それから意見が合わなくなった。

同じバンドの中に境界線ができてしまった。僕等からしてみれば彼らはウォッカで酔い潰れていたし、僕等は彼らに脳みそ腐っちゃうぞと言われてた。
酒やクスリはバンドに亀裂を作った。それに皆自惚れていたんだ。

マネージメント・ミスだろうね。みんなおかしくなってしまった。いがみ合い、何時も疲れていて、疲れているとイライラするし、そうすると自然に喧嘩になる。もっとうまくやっていれば解散は避けられたと思う」

バードン「600 万ドルほど預金にあるはずだった。いざその金を下ろしてバカンスに行こうと思ったら、銀行は消え、バハマは総督が代わったとか誤魔化された。

散々こき使われた挙げ句、僕等には何も残らなかったんだ」

アニマルズの敵は自分自身だった。オリジナル・メンバーで続けてたらストーンズになれたのに。

バードン
「バハマでレコーディング中のこと。ヨットに乗ってたんだが朝飯を食べに下りて行くとメンバーやロード・クルーがすごく気まずくて、僕はとうとう止めるって言ったんだ。自分でバンド組むよ。もうこんなのは沢山だって」

アニマルズはついに解散する。60年代の神話のひとつが終わった。