今日は子育てのお話。

子育てって
親が子を育てるだけではないんです。
子も親を育ててくれるんですよ。
という実話ストーリー。




クライアントのタエ子ちゃん。
彼女は高校の同級生。
部活動も一緒で、盆も正月も返上して切磋琢磨した仲間。

そんなタエ子ちゃんが
私の元へやってきたとき、彼女はこう言った。


「あの真面目なニッタが
なんでこんなに変わったのかが知りたい」と。


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彼女と私はよく似ていた。



心の中にいるもう一人の自分を置き去りにして
周りから良く思われたいがために
どこかムリして、どこか作って生きていた。




私はその結果、胸に腫瘍ができた。


彼女はその結果、国から難病指定を受ける病を患った。




彼女は不妊治療の末、授かった長男を死産する。
動かない我が子を抱いた。
その子にアサヒ君と名前をつけ、大事に大事に埋葬。


失意の底から立ち上がった彼女は
再び不妊治療を再開し、自分の病気の治療とも平行しながら、
待望の次男を出産する。


だが、次男は体重わずか700g台で誕生。



願って願ってようやくこの世に生まれて来てくれた我が子はずっと保育器の中にいて、何ヶ月も抱けない。

1度目は、抱っこできたけれど心臓がとまっていて、
2度目は、生きているのに抱けない。



彼女は本当に一生懸命やった。
毎日、母乳をしぼっては届け、保育器の側に寄り添う。
そして自分の治癒も続ける。


次男くんが保育器から出て、退院すると聞いたときは嬉しくて涙がでた。



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そんな次男くん。今は3歳。


「生きていてくれるだけでいい」
と思っていたあのころ。

それが叶えば
「元気に育ってほしい」
と願う。
それも叶えば
「順調に発達してほしい」
と願う。

そのために、できるだけのことをするよ、と頑張る彼女。


彼女はほんとうに頑張り屋さんで、周りに細やかに気を配れる人。
会社員時代はずっと社長秘書をしていた。


真面目に勉強し
学校でもリーダー。
親の言うことをよく聞いて
周りからもいい子ね、と評価され頑張ってきた子ども時代。

仕事に就けば、社長から見込まれて秘書になった。


でも
彼女は病気になってしまう。
それも国から難病指定をうけるほどの。。。

順風満帆だと思っていた人生が急に灰色になった。

なんども手術を受ける。
いいと聞く病院があれば、遠方まで行き、入院して手術を受けた。
毎日飲む薬の副作用で体重の増減も激しい。


人に会いたくない時期を経験する。


自分の治療をしながら結婚生活10年以上。
「この持病をもちながらの出産は難しい」
と医者から言われ続けながらも
可能性を信じて、不妊治療をし、
やっとの思いで出産したが最初は死産。
次は未熟児。



それでも元気に成長してくれている。
歩けるようになった。
おしゃべりもできるようなった。
無事に園にも通い出した。
せっかく元気に育ってくれたんだから
大切に大切に慈しみながら育てたい。

育てなければ。バチが当たる。
せっかく育ってくれたこの子なんだから。

私がしっかりした母親でなければ。。。



真面目で頑張り屋で優しい彼女は
こうやって子どものため、家族のために
頑張ります。
自分の身体もしんどいのに。


けれどある時
彼女は自分の中に湧いた小さな感情に愕然とします。


「我が子にイライラする」
「他の子の成長と比べてがっかりする」



!!!!!!!!


あんなにも
ただただ
生まれてきてくれただけでいい。

ありがとう。


と思っていたはずなのに


こんなひどいことを思っている私なんて母親失格だ。。。。。



そしてタエ子ちゃんは
私の元へやってきました。
「子育て、どうしたらいいか、もうわからない。。。ぜったいかわいいはずなのに、そう思えない自分が嫌んなる。。。」


「ニッタも私と同じ人種だったはず。病気になってるし、2度も流産をしている。なのに生き方が前とぜんぜん違う。前のニッタも好きだったけれど今のニッタはもっと好き。毎日が生き生きしてるのがこっちにまで伝わってくる。それを知りたい!私も変わりたい!」


彼女は縁側で熱弁して泣いた。



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嬉しかった。
心から。



大好きな友達を救いたいとずっと思っていたから。
そして、その道筋を照らすことができると確信もあった。


でも、自分からは決して声をかけなかった。


彼女が自分で掴みにやってくるタイミングが必ずくると思っていたから。
自分からの一歩でなければ
これからの自分の人生を開いていくことはできないから。



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それから彼女は真摯にbeing mindを学び、
怒涛のスピードで変化していった。


今まで置き去りにしてきた心の中の自分と仲直りしていった。
本音で自分自身をチューニングしていった。


自分から湧く感情を嫌うことなく
そこに寄り添って
キレイにいいエネルギーに転換できるようになっていった。



自分が開いていくと同時に
持病の検査数値もみるみるよくなる。
今では主治医が驚くほど。



心と体はつながっている。



そんなタエ子ちゃんがくれたLINE。



自分の思いを奥底にしまって、
いつも周りを最優先にしていきてきた彼女は


息子が起こす癇癪や怒りを
なんとか納めよう
なんとかなだめようとしてきた。

なぜなら
癇癪や怒りや悲しみの感情表現を
「してはいけないもの」
と自分自身に禁止してきたから。



でも、
今は
 

「かわいい」
と感じながら寄り添っている。


我が子の生き様から学んでいる。


自分も息子のように命いっぱいに様々な感情を感じていいと、許可して生きはじめている。



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親と子の関係は


親が子を育てるもの

と思われがちだけれど


それは一面でしかない。


本当は
子どもの姿から
親はたくさん教えられている。


お互いに必要な存在なんだ。


親が上で
子が下ではない。

親が育てるもの、でもない。


親も子も同じ命を持つものとして
磨き合うソウルメイトなんだ。