※関西の某心霊スポットを当時交際していた彼氏と訪れた時の話です。

 

私は小学生の頃、家庭の事情で祖父母と暮らしていました。そこへ毎週金曜日になると叔父が友人のK君とその彼女のユカちゃんを連れて遊びに来ます。K君はとても真面目な好青年で土方をしていました。ユカちゃんは、来る度にお菓子やオモチャを持って来てくれる、気遣いバッチリのよく笑うかわいらしい女性でした。祖父母は息子(叔父)の友人であるK君とユカちゃんを歓迎し、週末金曜日に、ご馳走を用意して待っていました。そんなある日、K君とユカちゃんがバイクの事故で亡くなります。幼かった私は、泣きながらお葬式に出掛ける祖父母と叔父をぼんやりと覚えていました。

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それからというもの、夜に寝ようと思ったら、そこで聞いた笑い声が聞こえるようになりました。

 

それと同時に電話をどこかへ掛けようとしてもうまくプッシュボタンを押せない夢を頻繁を見るようになりました。

 

眠れない疲労が頂点に達し、仕事でミスも多くなった為、私は実家に帰って祖父に相談しました。

 

「最近、寝不足で」と。

 

祖父に心霊スポットへ行ってから笑い声が聞こえる話と、電話でプッシュボタンを押せない夢の話をしました。

 

もしからしたら、あの笑い声は……。

 

小さい頃によく遊びに来ていたK君とユカちゃんかもしれない、と思ったのです。

 

「K君とユカちゃんってどこで亡くなったん?」と。

 

結果、亡くなった場所はそこではありませんでした。

 

祖父は仏壇から般若心経の書かれた冊子を取り出して、お経を読んでくれました。

 

するととても安心して首が軽くなりました。

首回りをマッサージされてコリが取れたような感覚でした。

 

祖父曰く……。

 

 K君とユカちゃんは手厚く供養されてるで

 山中で彷徨ってる事はないと思う

 

 心霊スポットには行ったらあかん

 なんかよう知らん異形の物が

 ついて来る事もある

 

 その笑い声は誰か知らんけど

 

 もしユカちゃんやったとしても

 ナオミは大きくなったし

 お互いに姿形が変わってしまってるから

 お互いを認識するのは難しい

 

 プッシュボタンが押せない夢は

 物事が上手く行かない暗示の場合がある

 

 睡眠不足とは関係ない

 

 今の仕事が自分に合ってるか

 ちょっと考えてみ

 

この一件があってから私は夜中に心霊スポットへ行く事をやめました。