訪問美容を行う理由はいくつかあります。


今後高齢化社会がますます進みます。高齢になり外出が困難な場合や、高齢でなくとも持病や妊娠出産などの、様々な問題により活力が低下する事で、人は心に余裕がなくなっていきます。


妊娠、出産、病気などにより外出できなくなると、髪を整える気力がなくなり、美容や輝くことからどんどん遠ざかってしまうため、外出できない方達が利用できる訪問美容についても今後ますます考える必要があると思います。


まず、お客様の利便性を考えると、お客様のご自宅や施設でサービスを提供することができますので、これにより、お客様は移動する必要がなくなり、時間や労力を節約できます。また、訪問美容はプライバシーを重視したサービスとしても知られています。サロンや店舗に行くことが難しい、あるいは恥ずかしいと感じるお客様もいますが、自宅などでのサービスならばそのような心配も軽減されます。さらに、特定のニーズや要望に合わせたカスタマイズされたサービスを提供することができます。お客様と直接対話し、彼らの要求に応じてサービス内容やスケジュールを調整することができるのです。それによってお客様のご要望に沿ったサロンと変わらない高品質なサービスを提供することができます。


安くて早いサービスというより、日々の活力を築き、明日も輝く為の彩をそえるための美容サービスをしたい。


私自身の祖母や祖父は…もう亡き存在であるが、

生前は病気もあり在宅で介護できなくなり施設に入所していた。


祖母は自分の出産直後に天に旅立った為、

祖母の最後を見送ることすら出来なかった…


祖父の最期はコロナ渦の真っ只中であった為に

最後の数年、面会したくても全く面会もできないままコロナ禍に老衰して旅立っていってしまった。


旅立つ直前になり、ようやく面会許可がおりたのだが、やっと面会できたのにその数日後には天に旅立ってしまった。


今でも伸びきった髪でもう会話もできなくなっていた祖父の姿が目に焼き付いて忘れられない…

毎月綺麗に坊主頭にしていた祖父…


やっと合えたその姿であったが、


ベットで目を閉じて、荒い呼吸をしている祖父の髪はまるで別人かと思うほど伸び放題になっていた…


私はその頃、実家から離れた場所で出産、子育て中であったのだが、美容師でありながら伸び放題の髪を切ってあげることもできず、結局何もしてあげることかできなかった。


施設との間には、自宅にいる時とは明らかに大きな壁がある。


目の前の大切な家族の髪を切ってあげることも出来ないまま祖母も祖父も旅立った…。

私には伸びた髪の長さが、祖父の最後の孤独という時間との戦いであったかのように思えて、悲しさというか、なんとも言えないモヤモヤした思いが今も心から消えない。


そして今は父が施設に入所している…

今の私にできる事とは限られた環境、与えられた時間の中でただ伸びて行く髪を整えるくらいしかないと思う。


家族の最期を迎えて、髪を整える事とは、髪が伸びてしまうから当たり前の様に切るとか、ただそれだけの事のようになってしまう場合もあるのだが、本当は髪を整えるという行為は、人においてとても大切な行為であるのだと私は改めて悟った。


元気な時にはただ綺麗になりたいだけでその真意には気づかなかった。


私にも出産、育児で自分に全く余裕がなく美容からかけ離れた生活をした経験がある。


みんな髪を整えるだけで、心イキイキと輝き、心もさっぱり気持ちよく生まれ変わる。

容姿が整うことで本人だけでなく、面会する家族の心まで晴れやかになるのだから。


健康な時はなかなか気づかないが、大切な人を無くし、終末期に伸び切った髪のまま旅立っていった祖父をみて、心が曇った瞬間を今でも私は忘れない…


たとえ終末期を迎え環境が変わっても、以前のように自分らしく、美しく生き生きとした生活の彩が皆さんの大切なご家族にも届きますように…。


そんな思いで活動しております。