木立ちの中の食卓
「藤村志保・軽井沢の四季」と、サブタイトルが付いている。
平成10年の出版と記されているけど、買ったのは5~6年前かな?彼女が、ご主人や愛犬と、軽井沢の別荘で過ごす時、四季折々の手料理が食卓に並ぶ。
親しい人を呼んでおもてなしをする時も、季節感満載の、手料理…。
材料は、山の幸が多い。
それで、興味を持って買ったのだと思う。
余談だけど、藤村志保さんを見ていると、父の妹である弘子のおばちゃんを連想する。
雰囲気も顔立ちもよく似ているから…。
そして、この弘子のおばちゃんと、私はよく似ているといつも言われていた。
じゃあ、藤村志保さんと私が似ているかといえば、全然似てないのだけど…。
「今、田舎暮らしを満喫しています」と、知人によく言っているけど、でもそれは、田舎の生活を楽しんでいると言うことであって、その中に身を置き、活用して日々の暮らしを営んでいると言う所までは、まだまだ行ってない。
それで、最近この本を引っ張り出して読み始めたら、買った時とは又違った思いで、参考になることが一杯あることに気付いた。
何より、気取らずに主婦を演じている彼女に好感が持てる。
中に書かれてある文章や、お料理に関する説明も、ほんわかと優しくて気品がある。
写真も、こんな風に軽井沢の自然を背景として、とってもきれい。
お料理は、田舎暮らしならではのメニューがひしめいている。
私も、山菜料理の本は2~3冊持っているけど、「さあ、こうして作るんですよ。やってみなさい」的な感じのものがほとんど。
でも、彼女はあくまでも謙虚。
「材料表の分量はあくまでも目安とお考え下さい。
ふだんはほとんど計量せず、味をみながら作っています。本書のレシピを参考に、それぞれのお好みで味を作っていただければ幸いです。」
「だし汁は昆布と削りがつおでとるか、市販のだしの素をお使いになっても結構です。液体の昆布だし、かつおだしをお使いになってもよろしいでしょう。」
なんて、目次のところに書いてある。
そして、例えば『夕べのおもてなし』と題して、山菜の天ブラを中心にした献立が紹介してあるんだけど、どれもこれも馴染みのある山菜で、おいしそう!
「あっ!ちょっと作れそう。作ってみたいな」
と思わせるものがずらりと並んでいる。
「折角ここで暮らしているんだから、1つ1つ試して作るのも面白いかも…。」
「高い材料を買い込んで見栄えよく作るのが、おもてなしではないような…。」
そんな風に思い直させてくれる。
そんな気配りメニューと、自然の中で生き生きと楽しそうに過ごしている彼女の写真は、見ているだけでも飽きない。
特に、この写真なんか、本当に嬉しそう!
こんな何気ない日常生活の中にも、無邪気な笑顔が自然と浮かんでくる。
ああ、本当に充実した日々を過ごされているんだなあと、私にもビンビン伝わってくるもの。
「いつか役に立つときが来るかも知れないから、一応買っておこう」と軽い気持ちで購入した本だけど、今、充分に役立って来ている。
もっとも、まだまだ実践と言うところまでは来ていない。
まずは、心の保養として役立っているところなんだけど…。