あのコは一体、何がしたいのだろう?



…といっても、本当に知りたいわけではないのだけれど。




あれが、計算したうえでの行動でないというのならば。


そしてそれであのコが泣くことになるというのならば。




……ならば、何だ?


分からない。


分からない、けれど、今までのように接してはいけない気がする。


「今までのように接してはいけない気が」したことは、これまでにも何度もあった。


他の人に対してもあった。


でも、いつだって、僕にはそれはできなかった。


優しさとか、同情とか、そんなものではなくて、ただ、自分自身に甘かったから。


それでも世間はそれを「優しさ」と呼ぶ。


ジョン君でさえ、それを敢えて「優しさ」と呼ぶ。


非難の意味を込めているんだ。




アヤちゃんのその優しさは、残酷だ。


期待してしまうよ。


甘えてしまうよ。


結局、泣かせてしまうよ。


……そういうモンだよ?




言われなくても、分かってるよ。


って、反論したかったけど。


したら絶対に、




分かっていてもそれを良い方向へ向かわせられないのなら、分かっていないのと同じだよ。


どんなに仕方のないことでも、全ての主観的事情を排除した客観的外観だけなら、


分かっていないのと、同じだ。




って言われるだろうから、黙るしかなかった。

(以前、別の件で経験済み。)



だけどね。


今回は、今までのように接し続ける方が難しそうなんだ。


僕が、辛いから。


最低だなって、思う。


自分自身に嫌気がさすよ。


嫌気がさすけど。


でもちゃんと、そんな僕を非難してくれる人がいるから。


だから僕は、どんなに過ちを犯しても、自分で自分を責めるようなことだけはせずに済んでいる。



僕に言わせるならね。


ジョン君の方が残酷だよ。


彼女のあの寛容さは、許容する範囲の大きさは、ヒトを駄目にする。









さて。


あのコは一体、何がしたいのだろう?


時間があるから、更に一考。