うる星☆やつら
「みじめ!!愛とさすらいの母」
主人公・諸星 あたるの母・聖子の第一人称で語られる作品。
ある日、聖子はスーパーで貧血を起こし、倒れてしまい、真っ暗な空間で目覚める。
空間の中央では見知らぬ子供達が「かごめかごめ」で遊んでいた。

「ねぇ、ここどこなの?」聖子の問いかけに応じず、ひたすら遊び続ける子供達。
「無視しないで!!」ピタリと歌が終わり、輪の中で鬼になっていた少女が振り返る。「後ろの正面だ~れ?』

汗だくになりながら病院のベッドで目覚める聖子。

一連の出来事は貧血をおこしている間に見た夢だったのだ。

帰り道の電車の中で
聖子は奇妙な事に気づく。
帰宅ラッシュの時間なのに、電車の中には聖子以外の乗客がいないのだ。




360: 本当にあった怖い名無し:2006/12/03(日) 13:29:43 ID:yuFov6090
聖子が家に帰るとあたるが居間で漫画を読んでいた。
「あたる、宿題はやったの?」
「ばあちゃん、何度も言ってるだろ?あたるは父さん、俺はかける。ボケちゃったからわかんないだろうけど」
「え・・・」
そう言えば目の前にいる少年はよく見るとあたるではない。年齢も小学校高学年程だ。

「お袋、お帰り~」中年になったあたるも出て来た。
「お母さん、あたるさん、そろそろ夕飯ですよ~。かける、お皿運んで。」台所からラムの声がする。
聖子は自室に逃げ込み、姿見で自分の容姿を確認した。
「嘘・・・」鏡には60過ぎの老女と化した自分と、夫の遺影が映っていた。




361: 本当にあった怖い名無し:2006/12/03(日) 13:36:30 ID:m8zLka9b0
再び病室で目覚める聖子。あれも夢だったのだろうか?
電車に乗り込んだ聖子は嫌な予感に襲われる。さっき見た夢同様、車両が無人だったのだ。
大急ぎで家に帰る。「ただいま!!」居間からあたるが顔を覗かせた。

「あたる!!あんたは本当にあたるよね?」
「当たり前だろ?あれ、お袋、さっきまで和室にいなかったっけ?」
と、そこへ和室から誰かが出て来た。「あたる、お客様?」
瞬間、聖子は気絶しそうになる。和室から出て来た人物はもう一人の自分だったのだ・・・。




363: 本当にあった怖い名無し:2006/12/03(日) 13:47:48 ID:yuFov6090
聖子は今度こそ目を覚ます。
「気がつかれましたか?」聖子の顔を白衣の男が覗き込む。
「ここは・・・?」
「精神科の治療室です。あなたが私にご自分の精神分析を依頼したのですよ」
それから医者は今まで見た夢は催眠術によって表層化した深層心理であることを手短に説明した後、分析結果を喋り始める。

聖子が見た夢はあたるしか出てこず、ラムや夫は声だけの存在であったり
既に死亡していたりしていて、存在が巧妙に隠されている。


つまりあなたは、ラムや夫を排除して息子を独占するという願望を秘めているのだ・・・と説明する医師。
と、黙りこくっていた聖子が突然笑い出す。
「平凡な分析ですわね。先生、ところで貴方の名前は何とおっしゃいますの?」
「え、私の名前・・・?」突然、どもり始める医師。
「わからないんですの?そうでしょうね。だって先生は私の妄想の産物ですもの。名前なんかあるはずがないですわ」
その瞬間医者が消える。




364: 本当にあった怖い名無し:2006/12/03(日) 13:59:38 ID:m8zLka9b0
高笑いしながら病院を出て行く聖子。町は廃墟と化している。
「これも私の夢なのかしら?それとも他の誰かの夢?」
と、崩れたビルからロボットが這い出てくる。
「危ない!!」突然現れた面堂と竜之介にロボットから救われる聖子。
「あら、竜之介ちゃんに正太郎さん・・・」

聖子は二人から地球が数年前からロボットの襲撃を受けていること、日本は東京以外全て占拠されたこと、
生き残った人間達で面堂と竜之介を指導者にレジスタンス組織を結成してること、あたるがラムを連れて真っ先に

宇宙に逃げた事を教えられる。面堂達に連れられて活動拠点へいくものの
そこに大量のロボット達が押し寄せて来た。


もう駄目か・・・と思われた瞬間、UFOに乗ったあたるとラムが駆けつけて来た。「皆~。助けに来たぜ」「もう大丈夫だっちゃ。」
突然、画面がフェードアウトし、あたるの母を囲んで登場人物達が「かごめかごめ」で遊んでいる。
「後ろの正面だ~れ」と同時に振り返った母の顔がアップになり、END。
ヤマなしオチなし意味無し・・・。



2ちゃ書き込みより。

微妙に細部が違うのだが脚本段階の話だろうか?

うる星やつら TVシリーズ 完全収録版 DVD-BOX1/平野文,古川登志夫,神谷明
¥126,000
Amazon.co.jp