読者の声が、聞こえない日記。




人に見られると意識して書くと、綺麗事ばかり並べようとするから。



だったら、紙に書けばいいと思われるかもしれない。でも、今は自分の字すら当てにならない。だから、ここに記す決意をした。


読み手の事を考えない。吐き出したい。


だから、拡散しない。




ハッピーエンドじゃない、暗い暗い日記。





ネガティヴ。

弱い。

甘え。

逃げ。

辛いのはみんな一緒。






世の中に浸透してる言葉。




全部、他人が主役の言葉。




そんな言葉を、自分に脅迫する。




言い聞かせるぐらいのレベルなら丁度いい。

でもオレは、脅迫する。
自分の心の声が聞こえなくなる程に。



そんな全ての強迫観念をなんとか捨て、世の中に浸透しているであろう全ての言葉を概念を捨て、ただただ、思いの丈を吐き捨てる、日記。



だから、拡散しない。




人に直接口で話すと、必ず自身を美化する。



「人に、情けない姿を見せたくない」と思って、嘘をつく。

弱い自分の、情けなく自堕落な自分を見せたくないから。


笑顔で取り繕う、ピエロの自分を作り上げてしまうから。



それが辛くて、後でまた、そんなピエロな自分を責めるんじゃないかと怖くて。

「こんなのオレじゃない」って。



心の中と、表の表情と発言の矛盾のねじれが、辛くて、だから誰にも話せない。


だから、この日記を書く。



弱々しい自分を、全面的に書く。






これを書き終えた時に、どんな気持ちになるのかな。



でも、そんな気持ちは今はどうでもいい。



書きながら、この文章を削除したい気持ちになる。読み手はどう思うだろうって。


甘えって言われるんじゃないかなって。

逃げって言われるんじゃないかなって。

誰だって辛いって言われるんじゃないかなって。



でも、1つだけハッキリしている。


「辛い」という感情を、殺してきた。

その事で、大事な人の感情を、殺してきた。

そして、感覚が麻痺してきた。



だから、近くで「味方だよ」と言ってくれる、その声が、徐々に聞こえなくなった。


いつの間にか、オレの人生の主役は、オレじゃなかった。
恐怖を感じる人、優しく接してくれる人。

「第三者」たちが、主役だった。

その人たちに応えるためには、自分を否定するしか方法がなかった。




今この瞬間も、ただただ、一文字一文字を打つ度に自分に降りかかる強迫と闘いながら、それでも、書く。
書き終えるまで。



この日記が明日への糧にならなくても、そんなのどうでもいい。それを思うこと自体が、「辛い事を乗り越えて成長しろ。弱々しい、大嫌いな自分なんだから」と、脅迫する。



そんな、自分自身がある。




もう8年程になる。





今この瞬間も、この一文一文が、怖くて、逃げたい。



でも、今は、辛い事を辛いって表に出したい。

もう、もういいから。


恐怖と戦う過程全てを残していいから。

出したい。





でも、それでも、自分に嘘をついてしまう。




自分に嘘をつくと、張り詰めた風船に誰かが針を刺すかもしれない、それがいつ破裂するか分からないということを想像するのが、今は怖い。



そして、自分に嘘をつく事が、大切な人を傷つける結果になった。


今思う。

その人が何より望んでいたこと。

それは、オレがオレらしくあること。





今はもう、誰に聞いてもらうでもなく、助けてもらうでもない、自分自身の言葉。



それを発する事が怖くても、たとえそれが言葉にならない程の弱々しく小さな言葉でも。



今まで経験してきた様々な事で奥底に隠してきた「本当の自分の声」を、聞きたい。



ここにきて、まだ、怖い。


もしここまで読んでくれた人がいるのならば、その人に申し訳ない。



「だったら書かなきゃいいのに」という負の連鎖が止まらない。



でも、本当は素直でキラキラしているはずの、自分の心の声を、聞きたい。


その声を聞けるのなら、他人の批判も全て1人で受け止める。人に引かれてもいい。距離を取られてもいい。


あるはずなんだ。
「素直な自分」が。


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26歳、春。

井の頭公園で、1人で桜を見た。

1年間恐怖を抱えて訪れた、運命の春。

予想通りだった。

その人と、組むことになった。


そして、言われた。


「蹴り入れていい?」って。


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今、もしその場面に戻れるのなら。

戦えた。

「もう一度、今の言葉を言って下さい」って言って、ボイスレコーダーを差し出し、録音し、訴えることができた。

でも、あの時自分は、「恐怖」に負けた。


本当は憎むはずだった、戦うはずだった相手。


でも、恐怖で身体が動かなくなってしまった。


心が死んだのが分かった。


迫り来る恐怖に、ただ逃げるしか生きる術はないと思っていた。


いつの間にか、責めるべき相手が自分自身になっていた。




あの時、戦う必要があった。




自分らしく生きるために、自分の身を守らなければならなかった。


帰る場所、待っている人を守らなければならなかった。


あの時に気づいていれば。


その時から、敵は、自分になった。




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「過ぎたことを悔やんでも仕方ない」

「過去より未来を」


これも、よく聞くセリフ。


でも、今のオレに必要なのは、「ピエロな自分」がどこから生まれたのか、遡ることなのかもしれない。


そして、気付いた。


脅迫しているのは、他人じゃない。


自分自身だ。




ここまで、最後まで、自分の心の声を聞こうとする事を止めずに済んだ。

何度も削除ボタンを押そうと思ったけど、今日思う分は、書き終えられた。


まだ何重にもなるセキュリティがかかっている、自分の心の声。

少しは近づけたのかな。