夢のマイホームが完成した直後、夢を打ち砕く悪夢の現実に襲いかかられました。

あまりにすべてが順調すぎると思っていた矢先でした。

土地選びの段階から、沿岸部で風力発電発電所建設の話が次々起こっていたので、海の近くに家を建てるということはかなりリスキーなことだと思いはしたものの、結果的にまさかこんなにすぐ、そしてこんなにも近くに建設が始まるとはまったくリスクマネジメントができていませんでした。

始まる、ではなく始まっていたのです。
家のことに追われてすぐそこの海を見に行くこともなく、建設が始まっていることに気がつきませんでした。

引き渡しのたった2日後、それに気づいた私は、連日連夜風力発電について勉強し、各方面に動き回り、6日間で住民運動のスタートラインにつくことができました。

ただまだスタートラインから一歩も進めていない。
連休に入り4日かけて今日引っ越しが済んだところ。
住民運動とは言っても、私達は自治会はおろかまだ転居届も出していない状況で、この地域の方々の顔も知らないのだから、どう働きかけいいのか途方に暮れるのも当たり前ですよね。

幸い夫が同じ町の出身なので、ほんの少しは住民との繋がりがある。
そしてそのわずかな住民を集めて、この新居に設置業者を呼び説明をさせたわけです。

連休明けの次の日曜日、地区公民館で住民説明会を開催させられることになりました。

その日までにビラを作り、風車から200m以内の民家を一件一件回って、健康被害について訴え、説明会への参加をお願いし、反対の意志を少しでも持ってもらえるよう働き掛けなければいけません。

私は夢のマイホームが完成したことも、引っ越ししたことも、何ひとつ喜ぶことができず、ただ毎日風力発電のことを思い悩んでいます。
これだけをとっても私は業者に慰謝料を請求したい。

ドがつくほどの田舎だから、住民の皆さんは風力発電による健康被害なんて知りもしないし知ろうともしない。
口を開けば「でももう決まったことだから」。

決まったことだからで諦められたらどんなに楽だろう。
私だって闘いたくて闘うんじゃない。
闘うためにこの土地に家を建てたんじゃない。
海の近くでスピリチュアルな暮らしがしたくて建てたんです。
反対運動の先頭に立って業者に歯をむき出して噛みついていく、そんな生き方とは真逆なんです。

幸い私は生まれついての戦士なので、闘いの機会さえあれば命懸けで闘うことはできる。
でも、私は本当は闘いたくなんかないんです。
静かな暮らしがしたいだけなんです。
お願いですから皆さん、自分たちの頭で自分たちの健康と財産を守ろうと考えて下さい。
私ひとりで皆さんのために闘うことなんかできないんです。
お願いします。