【ロイター米国特集】迫る「財政の崖」にどう対処するのか
崖回避への最後の望みは、バイデン副大統領と共和党のマコネル上院院内総務の交渉にかかっているとみられる。
与野党の対立は30日も解けず、上院は同日の法案採決を見送った。
財政の崖をめぐっては、上院の民主・共和指導部がぎりぎりの調整を進めているが、この日の協議でも打開策は見いだせなかった。
上院はいったん審議を打ち切り、米東部時間31日午前11時(日本時間1月1日午前1時)に審議を再開することを決めた。
民主党のリード上院院内総務は「与野党にはなお、大きな見解の相違がある」と発言。与野党の調整は現在も続いているが、両党指導部が合意に達した場合も、上院では規則上、全議員(100人)が速やかな議事進行を妨げることが可能だ。
さらに下院では、共和党の保守派が富裕層の増税に強硬に反対しており、審議の行方は不透明。
年末の交渉期限が刻々と迫る中、議会が打開策を打ち出せず、同国が財政の崖から転落するリスクが高まっているといえる。
30日の与野党協議では、共和党が公的年金の物価スライド抑制を提案したが、民主党が検討を拒否したため、共和党は提案を撤回した。
与野党は、富裕層の増税や歳出削減など、財政の崖のすべての主要問題で対立している。
共和党のマコネル上院院内総務は同日、事態の打開に向け、バイデン副大統領と数回にわたって電話で協議。マコネル院内総務は「解決を目指すが、私にはダンスの相手が必要だ」と述べた。
先行き不透明感の高まりから、市場関係者は週明けの市場の混乱に備えている。
ビーム・キャピタル・マネジメントのマネジングディレクター、モハンアド・アマ氏は「合意が成立しなければ、投資家が嫌気し、明日の株式市場は下落するだろう」と述べた。
議会が財政の崖回避で合意できなければ、1月1日から給与税・所得税の減税や失業給付の延長が失効する可能性がある。歳出の強制削減も始まるため、政府と取引のある企業が人員削減を強いられるリスクもある。風力発電や研究開発など企業向けのさまざまな優遇税制が失効する恐れもある。
オバマ大統領は年収25万ドル以上の世帯を対象とする増税を提案しているが、共和党の反対で、増税対象の年収下限を40万─50万ドルとする案が浮上している。
下院共和党の保守派は増税自体に反対。民主党は富裕層の遺産税増税も主張している。
共和党は、国防費などの強制削減に代わる新たな歳出削減が必要と主張。民主党は富裕層増税を実施すれば、十分な税収が得られるとの立場を示している。
オバマ米大統領は30日放映のNBCの番組「ミート・ザ・プレス」に出演。「1月1日になっても問題が解決していないことが分かれば、市場に悪影響が出ることは明らかだ」と述べ、 万が一、議会の合意が成立せず、減税が失効した場合は、1月4日から始まる新議会で中間層の減税を目指す考えも示した。
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