・別居話その[64]【陣痛との戦い…赤ちゃんが出て来ない…】
僕が病室に到着してから数時間…妻の子宮口はまだ出産出来る状態まで開いていなかったので、しばらく待っていたのですが、一向に開く気配は無く、そのまま夜を迎えました。
夜になると妻は痛みで震え、眠る事さえ出来ず、僕もずっと背中をさすりながらそのまま朝になり、もう一度子宮口を確認してもらいました。
まだまだ出産に至る程開いていませんでしたが、あまりに妻が苦しそうにしているので、看護師さんが分娩室へと移動させてくれました。
そして看護師さんから僕にテニスボールが渡されました。
僕は意味がわからなかったのですが、テニスボールで妻のお尻を押してあげて欲しいと言われ、よくわからないまま押してみると、妻も多少楽になると言いました。
軽くではなく全力で…そこから6時間ずっと押し続けました。
それでも子宮口はまだ開かず、陣痛促進剤を投与すると医者から言われました。
同意書にサインを頼まれ、陣痛促進剤を投与…
妻のあぶら汗と呼吸がより荒くなり、このままじゃ死んでしまうんじゃないかと思う程苦しんでいましたが、僕もテニスボールで押しながら声を掛け続け、なんとか子宮口が開きました。
ここでようやく破水、出産準備へ…
僕はずっと妻の手を握りながら、声を掛け続けました…
そこから1時間…
妻がイキみ続けても中々赤ちゃんは出て来ず………
〜その[65]へ続く〜