秋明菊(シュウメイキク) 会社近くの畑に咲いていました。京都貴船神社で有名なことから貴船菊の異名があります。10月くらいから咲き始め、秋のあいだ長く楽しむことができます。
秋の花らしい落ち着いた品格のある姿と、定根すれば繁茂が容易な点から、秋の茶花の定番として床の間によく生けられています。たしかに、コロニーで盛り咲く姿も良いですが、一厘挿しで花入に飾っても、山野草の然とした侘びた趣きがあり、茶の席に似つかわしいかと思います。
ところで、向日葵がアオイ科ではなくキク科の植物であるように、このシュウメイギクもキクの仲間ではなくキンポウゲ科に分類されています。そしてこのキンポウゲ科は、かのトリカブトを筆頭にほとんどが有毒植物とされている危険な仲間で、もちろんこのシュウメイギクにも有毒成分が含まれています。
シュウメイギクの汁液には激しい皮膚刺激作用があり、直接触れればかぶれや皮膚炎を起こし、誤食してしまうと胃腸痙攣を起こします。かつて家畜が誤って食べてしまい胃腸障害を引き起こすことがあったため、ウシゴロシの恐ろしい異名もあります。
茶花にはにおいの強すぎるもの、とげのあるもの、そして有毒の植物の花は床の間で飾らないという決まりがあるのですが、実は知られていないだけで、致死性のある有毒植物もかなり茶花にされています。
「葉見ず花見ず」とよばれるヒガンバナ、「利休花笠」とよばれるクリスマスローズ、初春には欠かせないロウバイなどなど。
本当は有毒なので飾っていけないはずだけど、きれいだからまあいいのかな。と、床の間で有毒の美しい花を見るたび思うのです。