※死産に関する内容です。少し前のことをメモを見て振り返りながら書いています。




入院3日目



朝はやはり5時前に目覚めてしまう。


朝食までの間、死産されたお母さん方のブログを読ませていただいたり、ネットで[死産]と検索してはいろんな情報を探っていた。


赤ちゃんを亡くされたママたちを『天使ママ』というらしい。


そうか、私の赤ちゃんも天使なんだ。
キレイな心のまま旅立つ、紛れもない天使なんだ。
そして私も天使ママになるんだ。


妊娠中、胎児ネームで赤ちゃんのことを呼んでいたのだが、胎児ネームはお空にちなんだ名前だった。(ブログ内では◎ちゃんと表記します)


◎ちゃん、天使になってお空に行くんだね。。




朝食後、看護師さんに赤ちゃんの棺はどうされますか?と聞かれた。


葬儀屋さんにお願いすると用意してくれたりするらしいが、ネットで赤ちゃん用の棺も買えるのでいくつか見たりはしていた。


夫とも電話で相談していろいろ調べてみると、木製のお棺だと強い火力で火葬しなければならないので、お骨が残りにくいという記事を見た。


病院の紙製の棺を見せていただくと、真っ白な箱に花柄が施してあり、ガーゼやお布団もセットになっていた。
思ったよりしっかりしていたので、こちらをお願いすることにした。


他にも夫が市役所に行って調べてくれたのだが、死産の場合、葬儀屋さんを通さず火葬のみにされるご家族も多いらしい。

火葬のみの場合は、退院から火葬までの間ずっと赤ちゃんといられる。

どうしようか…と迷ったが、火葬のみにすることにして、全部自分たちでしようということになった。


葬儀屋さんにお願いしない場合、骨壷も自分たちで用意しなければならない。

こちらもネットで探した。

まさか我が子の棺や骨壷を用意しなければいけない日が来るなんて。。


骨壷は火葬に間に合うように届かないと困るので、早く探さなければならない。


大きさがよくわからなかったが、オンラインショップに赤ちゃんの週数での目安が記載されており、大変参考になった。


どちらの性別でも大丈夫なように、白色ベースのキラキラしたガラス製の骨壷にした。




昼食後、一緒に組み立てましょうと看護師さんが棺を持ってきてくださった。


大きさが2つあり、看護師さんは小さい方でも大丈夫じゃないかとおっしゃっていたが、棺にいろいろ物を入れてあげたかったら大きい方でもいいかもねということになり、大きい方にした。


組み立てながら、
「ママ、◎ちゃんにこんなの用意するの嫌だよ〜」とか言いながら泣いていた。


「あとは、折り紙で何か作って入れてあげることもできますよ」と聞いたので、夫に折り紙を買って持ってきてと頼んだ。




前日服を作るため持ってきてもらった布がまだ置いてあったので、それでお布団カバーのようなものを作ってあげることにした。
真っ白なお布団じゃ味気ないもんね。


キラキラした星空のような布と、卯年にピッタリなうさぎさんがプリントしてある布を重ねて、ちょっぴりカラフルに。

「◎ちゃんだいすきだよ」と刺繍をして、縁をリボンで囲った。

うん、かわいい!!


部屋に来られる看護師さんたちに、「それ、なんですか?」と聞かれた。

私:お布団の上に置いてあげようと思って。真っ白なお布団だから、ちょっとかわいくしてあげたかったんです。

看護師:なるほど〜!赤ちゃんにバッチリ気持ちが伝わりますね。


こうして裁縫などに没頭していると悲しみが紛れて泣かずにすむ。


でもふとした瞬間に涙は勝手に出てくる。


今は限られた、2人でひとつのこの時間を大切にしようと思った。


この日の処置。

昨日の夜入れたラミナリア4本を抜いて、朝は10本入ったらしい。

Dr.:夜にはまだ増やしますからね。

私:はい…

さすがに10本ともなると、お腹がかなり重だるく感じた。
トイレが近くなった気がする。


助産師:入れたことが刺激になって陣痛はじまることもあるんで、お腹の痛みを感じたら教えてくださいね。

陣痛のような痛みはまだ全然感じない。

お産とか陣痛の心の準備なんて全然できてないよ〜。。
あと2ヶ月かけて準備する予定だったんだから…



夜の処置は、朝入れた10本のラミナリアを抜いて、13本になった。

看護師さんがドクターにラミナリアを数えながら渡していたのだが、数が増えるたび恐怖でしかなかった。

Dr.:もう少し入るかと思ったんだけど…でも朝よりは入ったからね。

体感的には10本を超えたあたりからもうキツキツで、1本も入る気がしなかった。


この日は夫と母が面会に来てくれた。


夫はお願いしたとおり、折り紙を買ってきてくれた。

2人で半分ずつ分けてそれぞれ折ることにした。

夫:俺、鶴しか折れないから鶴専門でいくわ。

私:じゃあ鶴は頼んだよ。

私はネットや動画を見ていろんなものに挑戦することにした。



母は身の周りに必要そうなものを持ってきてくれた。

母とは入院してはじめて会う。

母が病室に入ってくるなり、2人で抱き合って号泣した。

母:◎ちゃんのこと残念だったけどね、お母さん〇〇のこともすごい心配なのよ…。死産のお産って…出産のとき、何も起こらないように祈っとくからね。

私:お母さんにとっては私が娘だもんね。私がお腹の赤ちゃんを思うように、お母さんは私のことを思ってくれてるんだよね。。お母さん、本当にありがとう。。

今までも、1人暮らしを始めるとき、就職したとき、結婚するときなどのタイミングで親のありがたみを感じ、そのたびに感謝の気持ちを伝えてきた。

この時は本当に本当に、命をかけて産んでくれてありがとうと、心から思った。