あの時の私

何も見えない暗闇の
悲しみと孤独しかない
居場所もない場所にいた

ただ じっとこらえ
やるべきことを
無意識でこなし
バレないように繕っていて

分かって欲しい気持ちさえ
どうしていいのか分からない不安に
押しつぶされてしまっていた。

そんな時に感じた温かい何かだった
見たことあるけど、面識もない
話したこともない人

そんな人が、私を心配してくれていた

最初は、何も知らないくせに
勝手に想像して馬鹿にしたり
無神経に人の心を傷つけたりして
ネタにして笑う しょーもない
好奇心だろうと思った

だから、見えぬふりをして
聞こえないふりをして
やり過ごそうとしたんだ

でも違ってた。
その人は、周りは誰も気づかない
崩れそうな私に なぜか気づいてた
本当の気遣いだった。

それを知った時に
なぜ、分かったんだろう?
なんで見も知らぬ私の心配をして
私の近況を逐一把握しようとしてるんだろう?

と、
不思議に思ったのと同時に
そんな優しい人もいるんだなってことが
何となく救いで嬉しかった

私はよく観察されてた
私はもう信頼してた
だから、視線を感じたら
私も見返していた

そのうちに、
心配してくれる心の声が聞こえるような
気がした

私も心の中で話しかけるようになった
アイコンタクトだけだけど、
いつも目を合わせる存在で
行ってきます、行ってらっしゃいと
話してるような気になる時もあった


話してないのに、話せてることなんて
あるんだろうか?

いまだに謎。

だけど、あの時は確かにそうできていた。


暗闇にいた私は
そんな日々の中で、救われていった

暗闇をそっと照らす
ろうそくのような
心があったかくなるような
優しい灯りだった。

私はそれを頼りに歩き始めたんだ

また人を信じてみよう
大切なものを守ろう
もいちどやってみよう

元気をもらったんだ
力をもらったんだ
再び前を向いて進もう

私は暗闇から抜け出すことができた


それから少し経って、
疎遠になってしまった

私も忙殺されて、日々を過ごすことで
いっぱいになってしまった

でも、その灯りはいつも私の心にあって
今は光になっている

あの、優しさ思いやり何かしてあげたい
と思える心、今でも私の大きな支えに
なっている

むしろ、もらった力で立ち上がること
できたから、手放しを決意することできた


ようやくここまで来れた
あなたのおかげです。


今だに、ただの一度もお話できてないけど


気づくと、私の右後ろを通り過ぎていく人。

1度目は、朝 ふと右後ろが気になって
見てみると、あなたがいて おどろいて
その横顔を眺めてたら、そのまま足早に
通り過ぎてしまってもう追いつけないな
と思っていたら、なぜか信号のタイミング
だったのか 追いついていた。
待ってくれてるような気がして嬉しかった。

2度目は、ある日の朝 また右後ろが
気になって見たら あなたが居て、
びっくりして 私は飛び上がるように
立ち止まってしまったんだ。
行ってしまった。

3度目は、こないだ。
時短の私は、帰り際にあなたの姿確認して
雨の中、これまでのあなたとのことを
振り返りながら 心の中で話しかけながら
お礼を伝えながら 駅に向かっていたら
ふいに右後ろが気になって振り返ってみると
あなたが居たんだ。

心の中で話しかけていただけに、
もう本当に驚いて、飛び上がるように
立ち止まって あなたの方を見たら
あなたは すっと 角度を変えて 右に曲がって
横断歩道を渡っていってしまったよね。

もう目は合わないし
私も前を向いて歩き出したから
あなたがどこへ向かって歩いていたのかも
よく分からない。

ただ、なんかいつも右後ろにいるよねー
とかおかしくなってきて、
何となく 右後ろで見守り続けてくれてる
気もして、心強く 勝手に頼りにしてます。

最初にあなたに気づいてから
もう一年と数ヶ月が経とうとしているね。


私は、手放しを完了させるためにも
転職先も決めたし、秋になる頃には
この会社を去るけれど、同時にあなたとも
さよならになってしまうことが
寂しいです。

と、伝えられたら良いけれど
伝えることはせずに、去るのかもしれない。


どうなっても、
あの時の、何気ない気遣いに感謝しかない。

良い再スタートきるからね‼︎