お婆ちゃんの心臓がまだ動いている時に周りの人間が葬式や寺、手続きの話をし始めたけど、とてもその話に入っていけなかった。

本来ならば話し合いに参加しなければいけないのだろうがなおは稚拙な自分を感じながらお婆ちゃんの体をさすっていた。

昨日の午前中、お婆ちゃんの足をさすりながらいつの間にかうとうとしたのかな、目の前に話ができる頃のお婆ちゃんが。

そのお婆ちゃんはなおにこう言った。

「このまま死ぬんだね」

なおはお婆ちゃんに

「嫌だよ、頑張ってよ」

お婆ちゃんは

「もう、いいよ」

その瞬間目が覚めた。

目の前にいるのは危篤状態のお婆ちゃん。

誰にも話さないでおこうと思った。話たら本当に逝ってしまいそうだったから。

お婆ちゃん頑張って

お婆ちゃんもっと一緒にいようよ

お婆ちゃん生きるんだよ

何度も耳元で呼びかけた。

お婆ちゃんは首を苦しそうに横に振っていた。

水も飲んでほしくて脱脂綿などで口を潤したり一滴一滴口の中に垂らしたり。

目を見て呼びかけた。

お婆ちゃんが目を動かしてこっちを見てくれた様にみえた握った指先が動いた。

もしかしたら戻って来てくれるかもと一瞬でも考えた。

しばらくすると母親が「ん?どうしたの?何か言いたいの?」何か言いたそうなお婆ちゃんの表情。ありったけの力を振り絞って水飲んでくれたから意識が戻ったと思ったよ。

だらりとする手、全身が脱力して目の光が無くなる。

母の声。

お母ちゃん、お母ちゃん





老衰ってのはやっぱりだめなんだね。

気づいたら医者が来るまで心臓マッサージと人工呼吸を繰り返してた。

医者がお婆ちゃんの胸に聴診器を当ててすぐ「ご臨終ですね」

まだ温かいのに。

戻ってきませんでした。

それから医者も訪問看護の人々も機械的に業務をこなしてた。

お婆ちゃんはまだいてくれると思ってたのにな。



お化粧して綺麗な着物に着替えて横になってます。なおの部屋で自宅葬です。棺がきてやっぱり葬式始まっちゃうんだなと思った。

計画停電の影響で火葬場の空きが30日しかありませんでした。まぁ5日も一緒にいれると思いますよ。

臨終に立ち会えた事は大きい。

またお話したいよ。
喪中になってしまいましたのでしばらくお休みします。

また、その日記を書く事もあると思います。暗い内容が続くかもしれません。

すみません。