正斗が亡くなった夕方、私はそのまま霊安室に連れてかれるものだと思ってた


寒くて暗い、あんな場所で、1人過ごすんだなって


胸が締め付けられていた




看護師さん達が、正斗の気管切開した穴にガーゼを詰めてくれてて


全身のジョクソウの傷も1つ1つ丁寧に処置をしてくれていた





T医師が再びやってくる


「今夜一晩は、ここで親子3人で過ごしなさいな」



「え?先生、霊安室には行かなくてもいいんですか?」



「やめようよ、あんなさみしい所、連れてかないよ
正斗の為にこの個室用意したんだからさ

最後まで、ここに居なさいな」





きっと、前代未聞だと思う


亡くなった遺体と、一晩一緒に過ごせるなんて。


T医師のその時の優しい微笑みは、相変わらず神様にしか見えなかった






看護師さんが氷の袋を何個も用意してくれて


正斗の回りを包んでくれた


徐々に冷たくなっていくサンタの格好をした正斗


部屋の暖房を切り、夫婦で厚着をして夜を過ごした


日付が変わって、クリスマスも終わり、あっとゆう間に夜中だ。


私は正斗をベッドの端っこに寄せ、隣に寝そべって


冷たくなったサンタに覆い被さる様に


抱きしめながらウトウトと眠りについた






翌日、あっという間に葬儀社からのお迎えの時間


旦那が正斗を毛布にくるみ抱き抱え、私、看護師達、医師達が後に続き


救急出入口の奥側まで歩いて向かった


その日、仕事が休みの看護師さん達まで、私服で駆けつけてくれた




お迎えの寝台車が停まっている


その瞬間から、私は正斗を直視出来ず、ずっとうつむいて涙をこらえ


気づいた主任看護師が私の背中をさすりながら



「お母さん、もうこれ以上、我慢しないで!
泣けばいいんだよ」




主任看護師の目からは大粒の涙がこぼれていた




正斗の顔に布を被せられ、寝台車にガシャンと乗せられる瞬間、私が顔を上げると


T医師が両手を広げ、私に向かってきた


そして、力いっぱい、抱きしめられた


その瞬間、今までずーーーっと我慢していたスイッチが崩壊し


T医師の胸に顔をうずめ、しがみつきながらワンワン声を上げて泣きわめいた



今思えば、ちょっと恥ずかしく照れる


旦那や実父の目の前で、抱きしめられる私(笑)


T医師だからこそ、サラッとそういう事が出来てしまい


そして絵になり、皆の涙腺をいっそう緩めた




先生は最後に頭を撫でてくれながら、無言でうなずいてくれた


最高のハグだった





先生、一生、忘れない


大好きです


クローバーI Like Tsuda D.rクローバー






正斗の最期の3日間を振り返り


やっとここまで記事にする事が出来ました





たくさんのメッセージをいただき


正斗の笑顔を忘れない、と言って下さる方がたくさんいらっしゃいました


親として、これ以上の喜びはありません


正斗は脳死になる前の4年間、常に笑顔を絶やさない子でした


発作で苦しみ、数時間の眠りから覚めた後ですら


笑顔でマンマ~!と言える子でした




いかなる時も笑顔を絶やさない


簡単な様で難しい事を、正斗にはたくさん教わりました


どうか、どうか、笑顔を絶やさず


皆が幸せな人生を送れます様に


祈るばかりです


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正斗、ありがとうドキドキ