私が本当に書きたいこと
それは今を遡ること6年前
息子の中学受験の話です
顔を赤くして
唇をキュッとかみしめ
涙を流さないよう
必死で耐えていた息子の顔を
私は今でも忘れることができません
私は40代で結婚し
息子を出産しました
妊婦としては高齢であり
出産までは体調が不安定だったので
息子が無事に産まれて
「健康に」育ってくれれば
それだけで充分だと思っていました
それなのに人間とは欲深き生き物です
私はいつしか息子の中学受験を
強く意識するようになりました
きっかけは息子を塾に入れたことです
4年生になると学童保育も終わり
毎日誰もいない家で
息子がゲーム漬けになってしまうことを
恐れた私は息子を
個別指導塾に入れました
塾に入れた当時は
息子を一人で家に置いておくよりは
塾に預けた方が「安全だ」と考えただけで
中学受験のことなど
微塵も考えていませんでした
が
5年生の終わりでした
中学受験を検討している家庭を対象に
人気中学の学校見学と説明会が企画され
塾の担当者に勧められ
軽い気持ちで見学&説明会に
参加することにしたのです
そこで、見てしまったのです❗️
知ってしまったのです❗️
九州の小さな田舎で育った母は
近所の中学しか知らなかった母は
充実したカリキュラムを提供し
最新の教育ツールを使いながら
子供たちが志を持ち、生き生きと学んでいる
中学があることを…
そんなキラキラした世界があることを
知ってしまったのです‼
そこから愚かな母は「中学受験」に目覚め
充実した教育内容と教師陣がいる環境で
輝くような学生生活を
息子に経験させたい‼️
そういう思いで
息子が望んでもいないのに
キラキラ中学の一つを
受験させることに決めたのです
男女共学の中高一貫校で
通学は家から1時間以内
校長は若く、マスコミにもよく登場し
そこで学ぶ生徒は礼儀正しく
輝いていました
でも、私は中学受験について
あまりにも無知でした
ただ塾に入れ、ある程度勉強させて
受験させれば
キラキラ中学に入学できるのだと
思っていました
だから息子の学力もあまり考えず
受験は1校のみに絞り
その学校で実施される数日間の受験日に
なんと5回も受験させたのです!
1日目が午前と午後に1回づつ、2回受験
2日目の午後に1回受験
3日目の午前に1回受験
1日休んで5日目の午前に1回受験
受験科目は数学と国語のみでした
今でこそ、これは誰が見ても
無謀な受験計画であることが分かりますが
当時の私は中学受験に関して無知でした
志望校の受験日のスケジュールにも
よりますが、通常、1日目の受験では
その学校を第一志望とする
子供達が受験することが多く
2日目以降の受験では
その学校より上のレベルの学校を
第一志望とする子供たちの割合が徐々に増え
また合格者枠も少なくなります
だから、回を重ねるごとに
学力レベルが上の子供たちと
少ない合格枠をめぐって勝負することになり
有利になるどころか
むしろ厳しい戦いを強いられることに
しかし、愚母は塾の担当者の
「受験校を増やすように」という
アドバイスにも耳を傾けず
「息子には、この中学以外
行かせるつもりはないんです
何回も受ければ受験回ごとに点数が
少しだけ加算されるんだから
受かるチャンスがあるでしょう」
などと
お買い物でもらえるポイントのように
浅はかにも考えていたのです
自分が受験させると決めたのに
受験に対して無知な母
もし過去に戻れるなら
走って行って当時の自分を
ビンタしてやりたい気持ちになります
カッパが後ろから走ってきて
過去の自分にビンタする(笑)
可哀想なのは自分が望んでもいないのに
受験させられることになった息子です
塾ではそこそこ勉強はしていましたが
周りの受験意識の高い子供に比べ
モチベーションが低く
受験に対する意識が感じられないと
塾の講師に叱られることも
あたりまえです
息子はまだまだ友達と
遊びたい盛りなのだから
そして息子は
受験する意味も分からず
受験に対するモチベーションも低いまま
受験日を迎えることになりました
1回目のテストではそれなりの手ごたえがあり
息子は試験終了後
笑顔で戻ってきましたが
結果は不合格でした
2回目のテストでも
まあまあ出来たようでしたが
結果は不合格
この時から息子の顔から
徐々に笑顔が消えていきました
3回目のテストを受けてまた不合格
息子はいい加減疲れ始め
もうテストを受けたくないと言い出しました
が、まだチャンスがあるからと
何とか説得して受験させ
4回目も不合格
そしてラストの5回目も不合格となりました
息子は特別その学校に
行きたかった訳ではないけれど
流石に5回も不合格を突き付けられ
深く傷ついたようでした
「君もがんばったけれど
君よりもっと頑張った子がいたんだよ」
必死に涙をこらえる息子に
ただそう言うことしかできませんでした
本当に酷い母親です
当時を思い出すと
息子を無理矢理傷つけてしまったことに
何とも言えない苦い感情が
沸き上がり
胸が苦しくなります
息子よ、愚かな母で本当にごめんなさい
長くなりましたので
この続きは次回で…