「ここ数年

あなたへの小包を準備している時

これが最後になるかもしれない

来年はもう無理かもしれない

そう思って毎回

プレゼントを箱詰めにしているのだけれど

今年も無事あなたの誕生日前に

送ることができて良かったわ」

 

電話の向こう側から

母の安堵したような声が聞こえてきました

 

先週、私は61回目の誕生日を迎えたのですが

その数日前に母から小包が届きました

 

 

小包には母から私への

お誕生日プレゼントが入っていました

 

レモンイエローのプルオーバー

小物入れ、コーヒー、蜂蜜

そして母からの手紙と新聞の切り抜き

 

 

レモンイエローのプルオーバー

 

 

 

 

母からの手紙、相変わらず達筆です

 

 

 

 

パーキンソン病に関する記事の切り抜き

大事な箇所はマーカーで印

 

 

 

母は、私が上京して以来もう何十年もの間

私の誕生日が近づくと

自分が選んだ洋服や小物、お菓子などを

詰め合わせた小包を送ってくれています

 

お洒落で買い物好きな母

 

もう少し若い頃は

私に何をプレゼントしようかと

心を弾ませながらデパートやブティックを

覗いて回ったようでした

 

私も母からの小包が届くのを毎年

心待ちにしていました

 

そんな買い物好きの母も

ここ数年は持病の脊柱管狭窄症が悪化し

思うように外出できず

カタログを見ながらあれこれ思いを巡らせ

私へのプレゼントを

用意してくれています

 

「これまで充分プレゼントをもらったから

もう何も送ることはないよ

手紙やカードで充分だよ」

 

毎年母にはそう伝えているのですが

娘が還暦を過ぎても、母にとっては娘は娘

今年も85歳の母は

せっせと心のこもったプレゼントを

私のために用意してくれました

 

高齢で一人暮らしの母は

老いていく自分の身体と記憶への

不安を抱えながら暮らしており

頭がしっかりして娘へのプレゼントを

選ぶことができるのは

これが最後かもしれないと思いながら

毎年小包を用意しているようです

 

そして次の年を迎え

また無事に小包を用意することができると

自分がまだ「大丈夫だ」ということに

安堵するのだそうです

 

娘に迷惑をかけてはいけない

いつまでもしっかとした母親であろうと

毎日必死で、気持ちを奮い立たせながら

生きている母を思うと

胸が締めつけられる思いです

 

だから

もうそんなに頑張らなくていいのよ

大丈夫だよ

と言ってあげたくなります

 

でも、そう言ってしまうと母が

私の手の届かない所へ行っていまいそうで

もう母に会うことが出来なくなりそうで

いつも言葉を飲み込んでしまうのです

 

ごめんなさい、お母さん

もう少しの間

頑張って私を見守っていてほしい

 

母は実年齢より随分若く見られることが多く

私とは姉妹だと勘違いされます♪( ´▽`)